ご相談事例

ご相談事例:苦境の住宅ローンから学ぶ、リースバックの注意点

 

近年、自宅の住宅ローンが返済難に陥るケースが増えています。

その中でも、元トラックドライバーの小林さん(仮名)の事例が示すように、リースバックという選択肢も注意すべき点があることを知る必要があります。

 

ご相談内容

小林さんは、運送業の経理職をしており、家族構成は内縁の妻と連れ子2人の4人でした。

新築の一戸建てを3,000万円、その他にかかる諸経費300万円を合わせ、合計3,300万円のローンを組まれていました。

 

そういった元々やや無理があった返済プランにより新築一戸建てでの新生活が始まりましたが、内縁の妻とは家計を別々に管理しており、かつ小林さんのみが住宅ローンを返済することとなっていたため返済が厳しくなり、カードローンによる借り入れに頼らざるを得ない状況に陥りました。

カードローンが約200万円まで膨れ上がった頃には、催告書が届いてしまうほどに追い込まれた状況になってしまっていました。

私に相談されたのは、まさにそんな時でした。

 

ご相談とアドバイス

小林さんのご要望は、住宅ローンの返済が厳しいがなんとか自宅を手放すことなく住み続けたい、というものでした。

そしてその希望が叶えられるのがリースバックという方法だということをネットで見つけ、それが自分でも可能なのか?というのが相談内容でした。

 

※ リースバックとは

所有している不動産を一時的に売却し、その後すぐに同じ不動産を賃貸契約で借りる仕組みです。これにより、住み続けることが可能になるというものがリースバックです。

 

ですが、小林さんのご自宅はまだ購入してから2年しか経っておらず、リースバックで買い取ってもらっても賃料が住宅ローンの倍以上の金額になってしまうことが発覚しました。

 

リースバックで買い取ってもらう場合、「売却金額の10%程度 = 1年間の賃料」となるのが基準です。

 

そして小林さんの場合、

買い取ってもらった後の月額家賃:24.2万円 > 住宅ローン返済額:11万円

となりましたので、小林さんはリースバックを断念してしまいました。

 

現状とその後

結局、小林さんは自宅を不動産買取業者に売却し自宅を手放すことを選択され、また同時に内縁の妻は連れ子と一緒に引っ越してしまい一人で暮らすこととなりました。

自宅を買い取ってもらったものの、まだ住宅ローンが残った状態でしたので弁護士に自己破産の相談をすることに。

この自己破産されるかどうか相談されていた時期に勤め先の会社から解雇され、また内縁の妻との生活も手放すこととなってしまいました。

かなり精神的に追い詰められた状況ではありましたが、最終的に自己破産せずに新たな就職先で働きながら残債分の返済することを決断されました。

 

担当者より一言

よく「リースバック = 家に住み続けられる方法」という触れ込みで宣伝等がされていますが、これはあくまで条件が好ましい場合にのみ有効な手段だということは覚えておいた方が良いでしょう。

 

横浜など首都圏の不動産の場合、売却金額が高くなりやすくなるので、リースバックで住み続けるとしても賃料も高額になる可能性があります。

そうすると、今まで払えなかった住宅ローンよりもはるかに高くなってしまうので、リースバックが成立しないということが発生してしまいます。

 

ですので、リースバックを検討されている場合、まずは専門家に賃料がいくらになるのかを確認されるのが良いでしょう。

他の相談事例もありますので、気になる方はぜひチェックされてみてください。

 

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