住宅ローン

「期限の利益の喪失」とは?

 

こんにちは、(社)任意売却公正協会 代表の高倉です。

 

「期限の利益の喪失」は、ご存知でしょうか?

 

期限の利益とは?

「期限の利益」とは、お金を借りている人が期限の到来までは債務の履行をしなくてもよいと言う利益のことです。

 

ローンの支払いを毎月何日までと債権者に約束すると、その日が支払いの期限になります。

そして期限がくるまでは返済をする必要はありません。

 

分りやすく説明すると、3000万円の住宅ローンを借り、毎月10万円を毎月決めた期日に支払うことです。

 

私も初めて聞いた際は、

「利益があるの?」

「ただの分割払いでは?」と思っていましたが、民法136条にあり法律用語なので分りにくく感じます。

 

期限の利益の喪失の具体例

住宅ローンを借りている方は、毎月、決まった日に約束の金額さえ支払いをしていれば、何の問題も生じませんが、返済を滞るとこの「期限の利益」を喪失してしまいます。

 

喪失とは、債務者の期限の利益を喪失させることによって、期限の到来前であっても、債務の履行を請求することができるようにすることです。

 

具体的には、先の3000万円の住宅ローンを借りている場合には、すべて一括返済を請求されてしまいますので、お持ちの不動産を売却するか借換えをするしか方法が無くなってしまいます。

 

ただ住宅ローンが滞納してもすぐに一括返済を請求されるのではなく、通常6回(3回ぐらいの場合あり)延滞した場合です。

 

遅れながらも支払っていれば問題なく、6ヵ月分が貯まってしまった場合です。

さらに銀行から連絡や書面で予告の通知が来くるので、いきなり一括返済ではないのですが不安定な状態となります。

 

ただ喪失要件は、住宅ローン返済の延滞だけではありません。

 

期限の利益の喪失になる事例

①債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。

②債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。

③債務者が担保を供する義務を負う場合においてこれを供しないとき。

 

①は破産するのであれば仕方ないと思いますが、②や③の要件に当てはまるケースが多々あります。

 

具体例は、銀行に連絡をせずに名義を変更してしまう。

「おしどり贈与」などでご主人様から奥様に名義変更してしまったり、子供に生前贈与してしまったりなど。

 

また税金滞納により役所などから差押えをされる。

横浜市は税金滞納に厳しく、すぐにお持ちの不動産に差押えを付けてきます。

正確なデータはありませんが、横浜市は毎月約300件の不動産に差押えをしています。

 

こんな事で?と思われるかもしれません。

いつ一括請求されるかもしれない状況にしない為にも、税金滞納の解消を行い、名義変更は銀行の許可を取るようにしてください。

 

※他の方がどんなご相談しているかは、

「ご相談例」で紹介していますので参考にご覧ください。

 

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