コラム

「借金」を抱えた時の救世主?親族間での任意売却のメリットと注意点

はじめに

「借金」の重荷に苦しむ人々にとって、親族間での任意売却は一つの救世主となるかもしれません。

しかし、この方法には一体どのようなメリットがあるのでしょうか?また、その反面、どのような注意が必要なのでしょうか?

親族間での任意売却は一見すると複雑に思えるかもしれませんが、一歩一歩丁寧に進めていくことで、大切な家を親族内で引き継いでいくことが可能となります。

また、適切な対処と準備を行うことで、潜在的なデメリットも最小化することが可能です。

この記事では、「親族間売買での任意売却」について詳しく解説します。

そのメリット、デメリットだけでなく、円滑に進めるためのポイントや具体的な手続きの流れもご紹介します。

これから親族間売買を考えている方、またはすでに計画している方への参考になれば幸いです。

 

親族間任意売却とは

次に進む前に、まずは「親族間任意売却」について基本的な知識を整理しましょう。

親族間任意売却とは一体何でしょうか?一般的な不動産売買とは何が違うのでしょうか?

これらの疑問を解決することで、親族間任意売却の真価や可能性について理解が深まることでしょう。

本章では、親族間任意売却の定義から始め、その特性と一般的な不動産売買との比較を行います。

 

親族間任意売却の定義

親族間任意売却とは、文字通り親族間で行われる不動産の売買のことを指します。

しかし、ここでの「任意売却」とは通常の売却とは異なり、買主が親族であることから、売買価格や引渡し時期などの条件を柔軟に設定できる点が特徴です。

つまり、売主と買主が親族であることを活かし、一般的な第三者間売買では難しい独自の取引条件を設けることができます。

これにより、借金を抱えている方が住宅を親族に売却し、その代金で借金を返済するというような場合に有効な手段となります。

 

親族間売買と一般的な不動産売買との比較

一般的な不動産売買と親族間任意売却は、基本的な契約の形態は同じですが、その内容や手続きにはいくつか大きな違いがあります。

まず、一般的な不動産売買では、最も大きなポイントとなるのが「市場価格」です。

売主と買主は不動産の価格について交渉し、双方が納得した上で契約に至ります。

また、不動産会社を通じて仲介手数料が発生し、引渡し時期も契約に基づき固定されます。

一方、親族間任意売却では、売買価格や引渡し時期などの条件を親族間で自由に設定できるという大きなメリットがあります。

また、親族間での取引のため、不動産会社を介さずに直接取引を行うことも可能で、その場合は仲介手数料を節約できます。

しかし、親族間任意売却にはそれらのメリットに反比例するようにいくつかのデメリットやリスクも存在します。

売買価格が適正でない場合、税務上の問題が発生する可能性があります。

また、売主が買主に対して贈与を行ったとみなされる「みなし贈与」というリスクも考慮する必要があります。

これらの点を踏まえ、親族間任意売却を進める際には、専門的な知識と経験が求められます。

次の章では、そのメリットとデメリット、そして注意点について詳しく説明します。

 

親族間任意売却のメリット

親族間任意売却は、その特性からさまざまなメリットが生まれます。

これらのメリットを理解することで、親族間での不動産売買がどのような場合に有効であるのか、またどのように活用するべきなのかが明確になります。

ただし、これらのメリットを最大限に活用するためには、適切な計画と手続きが必要となります。

本章では、親族間任意売却の主なメリットについて詳しく解説します。

 

売買条件の柔軟性

親族間任意売却の最大のメリットと言えるのが、売買条件の柔軟性です。

一般的な不動産売買では、市場価格に基づく価格設定や一定の引渡し時期が求められます。

しかし、親族間売買では、売主と買主が親族であることから、互いの調整により売買価格や引渡し時期、支払い方法などを自由に設定することが可能です。

例えば、売主が借金返済のために即時性を重視するなら、早期に引き渡すといった条件を設けることもできます。

これは、親族間だからこそ実現できる柔軟性であり、負債解消や資産活用の大きな武器となり得ます。

ただし、条件設定の自由度が高い一方で、適正な価格での取引が行われないと「みなし贈与」に該当する可能性もあります。

そのため、売買価格の適正性は確認しておくことが重要です。

 

仲介手数料不要

親族間任意売却のもう一つの大きなメリットは、仲介手数料が不要であるという点です。

一般的な不動産売買では、不動産会社が仲介役となり、そのサービスに対して数パーセントの手数料(売買金額に応じて変動)が発生します。

この手数料は一般的には売買価格の3%+6万円程度が相場とされています。

しかし、親族間の売買では、直接売主と買主が話し合って契約を結ぶことが可能であり、その場合は仲介手数料が発生しません。

これは大幅なコスト削減につながり、特に高額な不動産売買の場合には大きなメリットとなります。

ただし、不動産売買には専門的な知識や経験が求められますので、自己判断で全てを進めるのは難しい場合もあります。

その際は専門家に相談し、適切な手続きを行うことが重要です。

 

住み慣れた家が見知らぬ他人に渡らない

親族間任意売却のもうひとつの大きなメリットは、住み慣れた家が見知らぬ他人に渡らないという点です。

長年住み慣れた家や地元の土地を親族間で引き継ぐことで、大切な財産や記憶を守ることができます。

多くの人にとって、自宅はただの物件ではありません。

そこには数々の思い出や家族の歴史が刻まれており、またその土地への愛着も深いものです。

それを見知らぬ他人に売却することは、心情的にも非常に難しいことでしょう。

親族間任意売却ならば、自宅や土地は同じ家族内で引き継がれます。

これにより、家族間で大切な財産を次の世代に受け継ぐことが可能となります。

ただしこの場合、確定申告や相続税などの税務処理についても注意が必要です。

 

引渡し時期を自由に調整できる

親族間任意売却では、売主と買主が親族であることから、非常に柔軟な取引が可能です。

その一つが引き渡し時期の自由な調整です。

一般的な不動産売買では、契約から一定期間後(通常は1~2ヶ月後)に引き渡しが行われます。

しかし、親族間任意売却では、売主と買主が直接話し合い、それぞれの都合や希望に応じた引き渡し時期を設定することが可能です。

これにより、売主は負債解消のスケジュールに合わせたり、買主は住宅ローンの準備期間を確保したりと、それぞれの状況に合わせて最適なタイミングでの引き渡しが可能となります。

ただし、引き渡し時期を調整する際には、税務上の影響や法律に抵触しないように注意が必要です。

この点については、専門家への相談をおすすめします。

 

親族間任意売却のデメリットと対処法

親族間任意売却には、多くのメリットがありますが、それらと並行してデメリットや注意点も存在します。

これらの理解と対処法を知ることで、トラブルを未然に防ぎ、円滑な売買を実現することが可能となります。

本章では、親族間任意売却のデメリットとそれぞれの対処法について解説します。

 

住宅ローンに通りにくいという問題

親族間任意売却において注意すべき点の1つが、住宅ローンが通りにくいという問題です。

親族間の任意売却の場合、売買価格が市場価格より大きく下回ることが多いため、金融機関から見るとその価格が適正かどうか判断しにくくなります。

そのため、住宅ローンの審査に通りにくい、または審査結果が出るまでに時間がかかるという問題が発生しやすいです。

この問題を解決するためには、売買価格が市場価格に近いほど住宅ローンの審査はスムーズになります。

また、信用情報機関への照会などにより信用力を証明し、予め金融機関に相談をしておくことも有効です。

 

「みなし贈与」とされるリスク

親族間任意売却のもう一つのデメリットとして、「みなし贈与」とされるリスクがあります。

これは、売買価格が市場価格よりも大きく低い場合、税務当局から見て贈与の一部とみなされ、贈与税が課せられる可能性があるというものです。

例えば、ある不動産の市場価格が5000万円だとすると、その金額で親族間売買が行われれば問題ありません。

しかし、もし1000万円で売買が行われた場合、4000万円分が贈与とみなされ、その金額に対して贈与税が課税される可能性があります。

このリスクを避けるには、市場価格に近い金額での取引を心がけることが重要です。

また、売買価格の設定については専門家に相談し、適正な価格を設定することをおすすめします。

税務処理は複雑なため、税理士などの専門家としっかりと相談をしてから進めることが必要です。

 

各種税制の恩恵を受けにくい問題

親族間売買においては、一般の不動産売買と比べて、各種税制の恩恵を受けにくいというデメリットも存在します。

例えば、一般的な住宅ローンを組む場合、一定の条件下では住宅ローン控除という税制上の優遇措置が受けられます。

これは、新築住宅の購入やリフォームなどを奨励し、家族の生活の安定や住宅市場を活性化するための措置です。

しかし、親族間売買ではこれらの税制上の優遇措置を受けることが難しいケースがあります。

親族間売買の場合、売買価格が市場価格よりも大幅に低いと、税務当局はその取引価格ではなく、一定の評価額(固定資産税評価額など)に基づいて税金を計算することがあります。

これにより、予想外の税金が発生する可能性もあります。

この問題を避けるためには、売買価格を適正に設定し、また必要に応じて専門家の意見を求めることが重要です。

また、各種税制の最新の情報を把握し、適切な計画を立てることも求められます。

 

買主になった人が将来のローンを受けずらい問題

親族間任意売却のデメリットの一つに、買主になった人が将来のローンを受けずらくなるという問題があります。

これは特に、親族間売買で住宅ローンを組む場合に発生します。

一般的に金融機関は、個人の信用力を評価する際に、その人がこれまでにどれだけのローンを返済してきたか、また現在どれだけのローンを抱えているかなどを厳しく審査します。

この結果、親族間売買で住宅ローンを組んだことがある人は、その後別の目的(例えば投資用不動産の購入や事業資金等)でローンを受ける際に、その審査が通りにくくなる可能性があります。

 

親族間任意売却を円滑に進めるためのポイント

親族間任意売却は、その特性から多くのメリットが得られますが、同時に注意すべきポイントも存在します。

これらを理解し、適切な対応を行うことで、円滑かつ成功した売買を実現することが可能となります。

本章では、親族間売買をスムーズに進めるためのポイントについて解説します。

そのポイントを押さえ、問題なくプロセスを進めることで、メリットを最大限に活用することができます。

 

適性価格での売買

親族間売買ならではの問題点として、「適性価格」が挙げられます。

親族間での取引であるため、市場価格よりも低い価格で売買が行われることが多くあります。

しかし、これには注意が必要です。

税務署は、適性価格よりも大きく下回る売買に対しては「みなし贈与」の規定を適用することがあります。

つまり、売買価格と適性価格との差額が贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。

贈与税は相続税と比較すると税率が高いため、適切な価格設定は大変重要です。

適性価格は一般的には市場価格とされますが、具体的な価格を決定するには不動産鑑定士などの専門家の意見を求めることが一般的です。

また、不動産会社に査定を依頼することでも適性価格は把握可能です。

親族間任意売却では、売主と買主が同じ目線で価格を設定し、双方が納得のいく取引を進めることが求められます。

そのためにも、公平な価格設定は欠かせません。

適性価格での売買を心掛け、無理なく、安心して不動産取引を行いましょう。

 

売買契約書の作成

親族間売買では、口頭だけの約束を避け、売買契約書を必ず作成することが重要です。

親族間とはいえ、万が一のトラブル防止のためにも、正式な契約書によって売買の条件を明確にすることが必要です。

売買契約書では、売買の対象となる不動産の詳細な情報(所在地、面積など)、売買価格、引き渡し時期、その他の特約事項などを記載します。

また、相続税や贈与税、固定資産税、登記に関する負担割合等も明記することが一般的です。

親族間であればこそ、感情的な問題や誤解が生じることもあります。

それを防ぐためにも、契約書は具体的で詳細な内容を含むようにしましょう。

また、契約書作成にあたっては専門家(司法書士や弁護士)に依頼することで、法的な問題を未然に防ぐことも可能です。

親族間取引は互いの信頼関係があるからこそ成り立つものですが、それを裏切る形とならないよう、きちんとした手続きを行うことで円滑な取引を進めることが可能になります。

 

専門会社によるサポート

親族間任意売却には専門的な知識や手続きが必要となるため、任意売却に強い不動産会社によるサポートが有効です。

親族間売買は一般の不動産売買と比べても特殊なケースが多く、専門的な知識を持つ不動産会社に相談することで、円滑に進行する可能性が高まります。

不動産会社は、適正な売買価格の設定や重要事項説明、契約書作成、金額のやりとりなど、不動産売買全般のサポートを提供します。

また、任意売却経験が豊富な不動産会社であれば、親族間売買に特有の問題を見越したアドバイスも期待できます。

また、契約内容のチェックや法律相談などについては、弁護士や司法書士に依頼することも一つの方法です。

彼らの専門的な知識を活用することで、法律上の問題を未然に防ぐことができます。

親族間任意売却は、自力で全てを行うのは困難なケースも多く見受けられます。

任意売却に強い不動産会社や法律専門家によるサポートを活用し、安心して親族間売買を進めましょう。

 

まとめと注意点

親族間任意売却は、親族間で直接行う不動産売買の一つです。

適正な価格で取引を行い、売買契約書をしっかりと作成し、必要に応じて専門会社によるサポートを受けることが重要となります。

親族間売買は一般的な不動産売買よりも手続きが複雑であり、適切な価格設定や契約書の作成、税務上の問題など、様々な注意点があります。

特に、「みなし贈与」による贈与税の問題や、売買契約時の具体的な内容の明記などは特に重要です。

また、任意売却に強い不動産会社などの専門家の助けを借りることで、これらの問題を未然に防ぐことが可能です。

親族間での取引だからこそ、信頼関係を保つためにも正確な手続きを行うことが求められます。

この記事を参考に、親族間任意売却が円滑に進むよう心掛けてください。

そして、何か問題が発生した際には、迅速に専門家に相談しましょう。

親族間売買は簡単に見えて難しいものですが、きちんとした準備と手続きを行うことで、スムーズな売買が可能となります。

この記事が少しでもお役に立てましたら幸いです。

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