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金利上昇で住宅ローン破綻!? 変動金利の仕組みと今からできる対策
投稿日:2024/07/11 更新日:2024/07/11
はじめに:金利上昇時代突入!住宅ローンはどうなる?
家を買うという大きな夢を実現するために、多くの人が利用する住宅ローン。
しかし、近年「金利上昇」のニュースを耳にする機会が増え、将来の返済に不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
「金利上昇で住宅ローンが破綻するかもしれない…」
そんな不安を抱えている方は決して少なくありません。
住宅ローン、特に変動金利を選んでいる場合は、金利の動きに注意を払うことが重要です。
このコラムでは、金利上昇の仕組みや住宅ローンへの影響をわかりやすく解説するとともに、変動金利を選んでいる方に向けて、今からできる対策を具体的にご紹介します。
安心して住宅ローンと付き合うためのヒントが満載です。
ぜひ最後まで読み進めてみてください。
住宅ローンの基礎知識
「住宅ローンは長期的なものだから、今さら仕組みについて詳しく知る必要もないのでは…?」
そう思っている方もいるかもしれません。
しかし、金利上昇の仕組みや住宅ローンへの影響度合いは、ローンの種類や契約内容によって異なります。
これから訪れる金利上昇時代を乗り越え、安心して住宅ローンを返済していくために、まずはご自身のローン内容についてしっかりと把握しておきましょう。
この章では、住宅ローンの基本的な知識について改めて解説します。
ご自身のローンと照らし合わせながら、読み進めてみてください。
変動金利と固定金利の違い
住宅ローンには、「変動金利」と「固定金利」の二つがあります。
すでに住宅ローンを組んでいる方にとっては今更聞けない部分もあるかもしれませんが、金利上昇の影響を理解する上で、それぞれの仕組みをおさえておくことは非常に重要です。
◯変動金利型
【特徴】
・金利は一定期間ごとに見直され、市場金利に合わせて変動する。
・一般的に固定金利よりも金利水準が低い。
【金利上昇の影響】
・金利上昇時:返済額が増加する、もしくは返済期間が延びる可能性がある。
・金利下降時:返済額が減少する、もしくは返済期間が短縮される。
◯固定金利型
【特徴】
・借入時に金利が固定され、返済期間中は金利が変動しない。
・一般的に変動金利よりも金利水準が高い。
【金利上昇の影響】
・金利上昇時:返済額は変わらず、金利上昇の影響を受けない。
・金利下降時:低い金利の恩恵は受けられない。
◯どちらを選んでいるかで、今後の対策が変わる!
変動金利型を選んでいる方は、金利上昇による返済額増加のリスクを理解しておく必要があります。
固定金利型を選んでいる方は、金利上昇の影響は受けませんが、将来金利が下がった場合でも、低い金利の恩恵を受けられない点は考慮が必要です。
ご自身の住宅ローンがどちらのタイプかを確認し、この後の章で解説する内容を参考に、今後の対策を検討していきましょう。
変動金利の仕組みを理解する
変動金利型を選んでいる方は、「将来、金利が上昇したらどうなるのか」不安に感じている方もいるかもしれません。
当面の間は急激な金利上昇は考えにくいとされていますが、経済状況は常に変化するものであり、予測は難しいのが現状です。
そこで、いざという時に慌てないために、変動金利の仕組みについてしっかりと理解しておくことが重要です。
◯変動金利は固定金利よりも後に上がる
「変動金利で借りておいて、金利が上がってきたら固定金利に借り換えればいい」と考えている方もいるかもしれません。
しかし実際には、金利が上昇する局面では、固定金利の方が先に上昇する傾向があります。
・固定金利: 長期金利(10年物国債金利など)を指標としており、市場の動向に敏感に反応するため、変動金利よりも早く動き出す傾向があります。
・変動金利: 短期プライムレート(政策金利の影響を受ける)を基準としており、日本銀行の政策判断に基づいて変動するため、長期金利に比べて動きが遅くなります。
そのため、変動金利が上昇し始めた時には、すでに固定金利は大幅に上昇しており、借り換えが難しい状況になっている可能性があります。
◯5年ルールと125%ルール
変動金利で元利均等返済を選択している場合は、「5年ルール」と「125%ルール」というルールが適用されます。(元金均等返済の場合は適用外です)
・5年ルール: 金利見直しは半年に一度行われますが、月々の返済額は5年間は据え置きされます。
ただし、金利上昇分は元金返済に回される金額が減り、利息の支払いに充てられる割合が増えることで調整されます。
そのため、金利上昇時は元金の減りが遅くなる点に注意が必要です。
・125%ルール: 5年ルールに加えて、月々の返済額は前回の返済額の125%までしか増えないというルールです。
125%を超える部分は翌月以降に繰り延べられます。
金利が大きく上昇した場合、元金返済が先延ばしになるため、結果として支払い利息が増加することにつながります。
現状では、大幅な金利上昇は考えにくいものの、将来何が起こるかは誰にも予測できません。
変動金利型の住宅ローンを選択している方は、これらのルールを理解し、万が一の場合に備えておくことが大切です。
金利上昇のインパクト
マイナス金利が解除され、住宅ローン金利の先行きが気になる方も多いのではないでしょうか?
特に変動金利で住宅ローンを組んでいる方は、今後の金利動向によって返済額が増加する可能性もあり、不安を感じているかもしれません。
この章では、金利上昇が住宅ローンに及ぼす影響について、月々の返済額への影響はもちろん、長期的に見た場合の返済総額の変化や、不動産価格への影響など、様々な側面から解説していきます。
「少し金利が上がったくらいで大した影響はないだろう…」
そう安易に考えるのではなく、まずは金利上昇がもたらす影響について、正しく理解を深めていきましょう。
住宅ローン金利への影響:マイナス金利解除で今後どうなる?
2024年3月に日銀がマイナス金利を解除し、「17年ぶりの利上げ」と話題になりましたが、住宅ローンの金利はどうなるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
特に、変動金利で住宅ローンを組んでいる方は、今後の動向が気になるところでしょう。
まず、この3月のマイナス金利の解除を受けても本コラムを執筆している時点では変動金利は大手5行(三井住友信託銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)は引き上げていません。
なのでマイナス金利の解除のみでは変動金利への影響は無かったと言えるでしょう。
ただ、2024年7月に日銀が利上げを決定した場合は、変動金利も上昇していく可能性がありますが、すぐに大幅な金利上昇が起こるとは考えにくく、仮に変動金利が上昇したとしても、当面は0.1〜0.2%程度の緩やかな上昇に留まると予想されます。
固定金利は、2022年12月に日本銀行が長期金利の上限を引き上げたことを受け、上昇傾向にあります。
本コラムを執筆している時点(2024年7月)では、変動金利への影響は限定的ですが、今後の動向に注意が必要です。
月々の返済額への影響:シミュレーションで確認
「金利が上昇すると、月々の返済額は具体的にどれくらい増えるの?」
漠然とした不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで、最も現実的に起こり得る金利上昇幅である0.1%を前提に、具体的な例を挙げて月々の返済額への影響をシミュレーションしてみましょう。
【ケーススタディ】
・借入金額:5,000万円
・借入期間:35年
・金利タイプ:変動金利
・当初の金利:0.38%
▼ 金利0.1%上昇後の月々返済額の変化
毎月約2,200円の負担増
▼ 金利0.1%上昇後の年間返済額の変化
年間約2万6,000円の負担増
このシミュレーションでは、0.1%の金利上昇で、月々の返済額が約2,200円、年間で約2万6,000円も増加することが分かります。
◯チリも積もれば…
「月々2,200円、年間2万6,000円くらいなら…」
そう感じる方もいるかもしれません。
しかし、これはあくまでも0.1%上昇した場合の試算です。
金利の動向は予測が難しく、場合によってはさらに上昇する可能性もゼロではありません。
金利上昇が長期化すれば、その影響はさらに大きくなる可能性もあります。
ご自身の状況を把握した上で、今後の対策を検討していくことが大切です。
不動産価格への影響:金利上昇は下落要因となる可能性も
金利上昇は、住宅ローン金利の上昇や返済額増加を通じて、私たちの家計に直接的な影響を与えるだけでなく、不動産価格自体にも影響を与える可能性があります。
◯金利上昇が不動産価格に与える影響
一般的に、金利が上昇すると不動産価格は下落する傾向があります。
その理由は、主に以下の3点です。
①住宅ローン需要の減退:
金利上昇によって住宅ローンの返済負担が増加すると、住宅購入を控える人が増え、需要が減少します。
②不動産投資意欲の減退:
不動産投資においても、ローン金利の増加は収益性を圧迫するため、投資意欲が減退する可能性があります。
③売却益減少への懸念:
将来的に不動産価格が下落することを懸念し、所有者が早期売却に踏み切るケースが増える可能性があります。
これらの要因が重なると、不動産市場全体の供給過剰の状態となり、価格の下落圧力が高まります。
◯ただし、価格動向は地域や物件によって異なる
金利上昇が不動産価格に影響を与える可能性は高いものの、一概に「金利上昇=不動産価格下落」と断言できるわけではありません。
人口動態や地域経済の状況、物件の立地や築年数など、不動産価格に影響を与える要因は多岐に渡るため、価格動向は地域や物件によって大きく異なる可能性があります。
◯市場動向を注視することが重要
金利上昇局面においては、不動産価格の動向にも注意を払う必要があります。
信頼できる情報源から最新の市場動向を収集し、冷静な判断を心がけましょう。
変動金利を選んでいる人のための対策
ここまで見てきたように、金利上昇は住宅ローンに大きな影響を与える可能性があります。
特に、変動金利型を選んでいる方は、今後の金利動向によっては返済額が増加し、家計を圧迫する可能性も考えられます。
「金利上昇が不安…でも、具体的にどんな対策をすればいいか分からない」
そう感じている方もいるかもしれません。
この章では、変動金利型を選んでいる方を対象に、金利上昇への備えとして、今日からできる具体的な対策を4つご紹介します。
「まだ大丈夫」と楽観視せず、早めに対策を検討し、行動を起こすことが大切です。
家計の見直し:支出を抑えて返済額増加に備える
金利上昇への対策として、まず最初に取り組むべきなのが家計の見直しです。
「今の生活水準は落とさずに、うまくやりくりしたい…」
誰もがそう思うものですが、金利上昇によって住宅ローンの返済額が増加した場合に備え、家計に余裕を持たせておくことは非常に重要です。
◯無駄な支出を洗い出す
まずは、毎月の収入と支出を把握し、無駄な支出がないか洗い出すことから始めましょう。
家計簿アプリなどを活用すると、簡単に支出を記録・分析することができます。
◯固定費の見直し
光熱費や通信費、保険料などの固定費は、一度見直すことで長期的に大きな節約効果が期待できます。
・電力会社やガス会社の乗り換え
・格安スマホへの乗り換え
・保険内容の見直し など
◯変動費の見直し
食費や日用品費、交際費などの変動費は、こまめな節約を意識することで、効果的に支出を抑えることができます。
・食材のまとめ買い
・外食を控える
・不要な買い物を減らす など
◯目標金額を設定する
家計の見直しは、具体的な目標金額を設定することで、より効果的に行うことができます。
例えば、「毎月○万円節約する」「年間○万円貯蓄する」といった目標を立て、それに向けて具体的な行動計画を立てていきましょう。
◯小さな節約を積み重ねることが大切
家計の見直しは、すぐに効果が出にくいものですが、小さな節約をコツコツと積み重ねることで、将来的に大きな差が生まれます。
金利上昇による返済額増加に備え、家計の体質改善に取り組みましょう。
繰り上げ返済の活用:金利負担を軽減
金利上昇による影響を軽減する効果的な方法として、繰り上げ返済があります。
繰り上げ返済とは、毎月の住宅ローン返済とは別に、臨時で元金を返済することです。
繰り上げ返済を行うことで、元本が減り、その分の利息を支払う期間が短縮されるため、結果として総返済額を減らす効果があります。
◯繰り上げ返済のメリット
・総返済額を減らせる: 支払う利息の総額を抑えられます。
・返済期間を短縮できる: 早くローンを完済することができます。
・金利上昇リスクを軽減できる: 将来の金利上昇による返済額増加への備えになります。
◯繰り上げ返済の方法
・一部繰り上げ返済: ボーナスや貯蓄など、余裕資金があるときに、まとまった金額を繰り上げ返済する方法です。
・期間短縮型: 返済額はそのまま、返済期間を短縮する方法です。月々の負担は変わりませんが、総返済額を抑えられます。
・返済額軽減型: 返済期間はそのまま、毎月の返済額を減らす方法です。月々の負担を軽減できますが、総返済額は期間短縮型よりも多くなります。
◯繰り上げ返済を行う際の注意点
・手数料: 金融機関によっては、繰り上げ返済時に手数料が発生する場合があります。事前に確認しておきましょう。
・家計への影響: 無理な繰り上げ返済は、家計を圧迫する可能性があります。生活資金に余裕を持った上で行いましょう。
・他の投資とのバランス: 投資信託など、他の運用方法と比較して、どちらが有利かを検討する必要があります。
金利上昇が予想される状況では、繰り上げ返済を有効活用することで、将来の金利負担を軽減し、より安心して住宅ローンを返済していくことができます。
借り換えの検討:状況によっては有効な手段
金利上昇局面において、有効な対策として挙げられるのが「借り換え」です。
住宅ローンの借り換えとは、現在借りている住宅ローンを、より有利な条件のローンへ乗り換えることです。
◯借り換えのメリット
・金利の低いローンへ乗り換えられる: 変動金利から固定金利へ、あるいはより低い金利の変動金利へ変更することで、毎月の返済額を減らしたり、総返済額を抑えたりすることができます。
・返済期間の見直し: 返済期間を延長することで、月々の返済額を減らすことができます。ただし、総返済額は増える可能性があります。
・借入金額の増減: リフォーム費用など、新たに資金が必要になった場合、ローンを増額して借り換えることができます。
◯借り換えを検討すべきタイミング
・金利上昇が不安な時: 変動金利で借りている場合、金利上昇が予想されるときに固定金利のローンへ借り換えることで、金利変動リスクを回避できます。
・ライフプランが変わった時: 結婚や出産などで収入や支出が変化した場合、返済計画を見直すために借り換えを検討するのも有効です。
◯借り換えの注意点
・費用がかかる: 借り換えには、手数料や保証料、印紙税などの諸費用が発生します。これらの費用を考慮した上で、借り換えによってメリットがあるかどうかを判断する必要があります。
・審査に通らない場合もある: 借り換えには、新規のローンを組むのと同様に、金融機関の審査があります。収入状況や信用情報によっては、審査に通らない可能性もあります。
◯借り換えは、必ずしもメリットがあるとは限りません。
ご自身の状況や将来のライフプランなどを考慮し、慎重に検討することが大切です。
<ポイント>
・複数の金融機関の住宅ローンを比較検討する
・ファイナンシャルプランナーなどに相談し、アドバイスを受ける
金利上昇前の不動産売却:市場動向を見極めて検討
金利上昇局面では、住宅ローン返済への不安から、将来を見据えて「住宅売却」という選択肢が頭をよぎることもあるかもしれません。
住宅ローン残高が残っている状態での売却は、資金計画や売却活動など、検討すべき事項が多岐に渡るため、慎重に進める必要があります。
◯金利上昇前に売却を検討するメリット
・金利上昇による返済額増加リスクの回避: 将来的な金利上昇による返済負担の増加を未然に防ぐことができます。
・売却価格の下落リスクの回避: 金利上昇は不動産価格の下落要因となる可能性があり、早めの売却は価格下落リスクを軽減できる可能性があります。
・売却資金の有効活用: 売却によって得た資金を、繰り上げ返済や他の投資に回すことができます。
◯売却前に確認すべきこと
・住宅ローンの残債額: 現在の住宅ローンの残債がいくらあるのかを正確に把握しましょう。
・不動産の査定価格: 現在の市場状況を踏まえ、いくらで売却できる見込みがあるのか、複数の不動産会社に査定を依頼してみましょう。
・売却にかかる費用: 仲介手数料や印紙税など、売却にかかる費用を事前に確認しておきましょう。
◯市場動向を見極めることが重要
金利上昇局面では、不動産市場も変動しやすいため、常に最新の情報を収集し、市場動向を見極めることが重要です。
<ポイント>
・焦って売却しない: 売却を焦るあまり、希望価格よりも低い価格で売却してしまうことのないよう、冷静に判断することが大切です。
・複数の不動産会社に相談する: 売却活動は、複数の不動産会社に依頼し、比較検討することで、より有利な条件で売却できる可能性が高まります。
・専門家の意見を聞く: 不動産売却に関する知識や経験が豊富なファイナンシャルプランナーや不動産コンサルタントなどに相談してみるのも良いでしょう。
住宅売却は、人生における大きな決断の一つです。
メリット・デメリット、リスクを理解した上で、ご自身の状況や将来のライフプランなどを考慮し、慎重に検討しましょう。
住宅ローン破綻を防ぐために
マイホームを持つことは、多くの人にとって大きな夢であり、人生の目標の一つと言えるでしょう。
しかし、その一方で、住宅ローン破綻という現実も存在します。
「自分は大丈夫」
そう思っている方もいるかもしれません。
しかし、病気や失業、金利の急上昇など、将来何が起こるかは誰にも予測できません。
大切なマイホームを守るため、そして、家族と安心して暮らせる未来を守るために、住宅ローン破綻のリスクと対策について、しっかりと理解を深めておきましょう。
この章では、住宅ローン破綻を防ぐためのポイントを分かりやすく解説していきます。
金利上昇リスクを理解する:最悪のケースも想定
住宅ローンを検討する際、多くの人がまず注目するのは「金利」ではないでしょうか?
低金利の時期には、総返済額を抑えられるメリットがあるため、変動金利型を選ぶ方が多くなります。
しかし、変動金利型は、将来的な金利上昇のリスクと隣り合わせであることを忘れてはなりません。
「まさか、そんなに金利は上がらないだろう…」
そう思いたい気持ちは分かりますが、過去には経済状況の変化などによって、金利が大きく変動したケースも存在します。
例えば、1980年代後半のバブル経済期には、地価や物価の上昇を抑制するために、金融引き締め政策が取られ、住宅ローン金利が8%を超える高金利時代が到来しました。
「もしも、金利が5%、10%と上昇したら…」
想像したくはないかもしれませんが、最悪のケースを想定し、返済計画にどのような影響が出るか、シミュレーションしておくことが重要です。
◯固定金利型だからといって安心はできない
「固定金利型を選んでいれば、金利上昇のリスクはない」
そう思っている方もいるかもしれません。
確かに、固定金利型は、契約時の金利が返済完了まで固定されるため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。
しかし、固定金利型も、将来的に金利が大きく上昇した場合、借り換えを検討する際に、より高い金利で借り直さなければならない可能性もあります。
金利上昇リスクは、住宅ローンを組む上で、避けては通れない課題です。
変動金利型、固定金利型、それぞれのメリット・デメリットを理解し、将来を見据えた上で、最適な選択をするように心がけましょう。
無理のない返済計画を立てる:将来のライフイベントも考慮
住宅ローンを組む際に最も重要なのが、無理のない返済計画を立てることです。
「毎月の返済額が家計を圧迫し、生活が苦しくなってしまった…」
そんな事態を避けるために、将来のライフイベントも考慮しながら、慎重に返済計画を立てていきましょう。
◯現在の収入だけで判断しない
住宅ローンの返済期間は、一般的に20年、30年と長期に渡ります。
返済期間中に、結婚、出産、育児、子どもの教育、親の介護など、様々なライフイベントが起こり得る可能性があります。
これらのライフイベントは、支出の増加や収入の減少につながる可能性もあるため、現在の収入だけで返済計画を立てるのは大変危険です。
◯将来的な収入減の可能性も考慮する
年齢を重ねるにつれて、昇給や転職などによって収入が増加する可能性がある一方、病気やケガ、企業の業績悪化などによって、収入が減少する可能性も考えられます。
また、定年退職を迎えると、収入が大きく減少することも考慮しなければなりません。
◯ライフプラン表の作成がおすすめ
無理のない返済計画を立てるためには、ライフプラン表の作成がおすすめです。
ライフプラン表とは、将来のライフイベントと、それに伴う収入や支出を時系列でまとめた表のことです。
ライフプラン表を作成することで、将来の資金需要を具体的に把握し、より現実的な返済計画を立てることができます。
<ポイント>
・子どもが欲しい場合は、教育費がかかる時期も考慮する
・親の介護が必要になった場合の費用も想定しておく
・車の買い替えや旅行など、将来的な支出計画も盛り込む
住宅ローンは、人生設計と密接に関わってくるものです。
「何となく」ではなく、将来を見据え、しっかりとライフプランを立てた上で、無理のない返済計画を立てるように心がけましょう。
専門家への相談:ファイナンシャルプランナーを活用
住宅ローンやライフプラン、家計管理に関する知識を深めることは大切ですが、専門的な知識や経験がないと、判断が難しい場合もあるかもしれません。
「住宅ローンの選び方がわからない…」
「自分に合った返済計画を立てられるか不安…」
「家計の見直しについて相談したい…」
そんな時は、一人で抱え込まずに、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談してみましょう。
◯ファイナンシャルプランナーとは?
ファイナンシャルプランナーとは、家計の経済的な問題について、相談者に対して適切なアドバイスを行う専門家のことです。
住宅ローン、保険、資産運用、相続など、幅広い分野の知識を持ち、相談者の状況やニーズに合わせて、最適なプランを提案してくれます。
◯ファイナンシャルプランナーに相談するメリット
・客観的なアドバイスをもらえる: 感情的な判断を避け、冷静かつ客観的な視点で、最適な選択をすることができます。
・専門知識に基づいたアドバイスをもらえる: 住宅ローンや金融商品に関する専門知識がなくても、安心して相談することができます。
・自分に合ったプランを提案してもらえる: 年齢、家族構成、収入、資産状況など、個々の状況に合わせて、最適なプランを提案してもらえます。
◯相談する際のポイント
・相談内容を事前に整理しておく: 相談したい内容を事前にまとめておくことで、スムーズな相談ができます。
・複数のファイナンシャルプランナーに相談する: ファイナンシャルプランナーによって、得意分野や考え方が異なる場合があります。複数のファイナンシャルプランナーに相談し、比較検討することで、より自分に合ったプランを見つけることができます。
住宅ローンは、人生において大きな影響を与える決断です。
専門家の力を借りながら、後悔のない選択をしましょう。
まとめ:金利上昇に備え、賢く住宅ローンと付き合おう!
金利上昇が続く中、住宅ローンを検討している方、そして、すでに住宅ローンを組んでいる方にとって、不安を感じやすい状況が続いています。
しかし、金利上昇の仕組みや影響、そして具体的な対策方法を理解しておくことで、必要以上に不安を抱えることなく、住宅ローンと上手にお付き合いしていくことができます。
◯変動金利と固定金利、どちらにもメリット・デメリットがある
住宅ローン選びの際、金利タイプは重要な要素です。
変動金利型は、金利が低い間は返済額を抑えられますが、金利上昇のリスクがあります。
一方、固定金利型は、返済額が変動しない安心感がありますが、低金利の恩恵を受けにくいという側面もあります。
どちらにもメリット・デメリットがあることを理解し、ご自身のライフプランやリスク許容度に応じて、最適な選択をしましょう。
◯金利上昇への備えは早めが肝心!
金利上昇の影響を最小限に抑えるためには、早めの対策が重要です。
・家計を見直し、無駄な支出を減らす
・繰り上げ返済を検討する
・借り換えを検討する
・必要に応じて、住宅の売却も検討する
これらの対策を、専門家のアドバイスも受けながら、状況に応じて検討していきましょう。
◯知識を身につけて、賢く住宅ローンと付き合っていこう!
住宅ローンは、人生において大きな影響を与えるものです。
金利動向や経済状況などの情報を収集し、常に最新の情報にアンテナを張り巡らせておくことが大切です。
このコラムで解説した内容を参考に、住宅ローンについて正しい知識を身につけ、賢く住宅ローンと付き合っていきましょう。
大学時代に自営業を営んでいた実家が競売直前に売却することなってしまった経験から「住宅ローンについて相談する場所が必要!」と痛感し、非営利団体を設立し『住宅ローン無料相談所』を開設しています。
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