コラム

住宅ローン3ヶ月滞納、今こそ知っておくべき対処法と差し押さえリスク

人生には様々な予期せぬ出来事が待ち受けています。

事故による怪我や病気、離婚、リストラや減給など、住宅ローンの返済を滞納せざるを得ない深刻な事態に陥ることもあるでしょう。

そうした理不尽な理由で、3ヶ月以上の滞納が続いてしまった場合、事態は一気に深刻化します。

この時点で適切な対応を取らなければ、最悪の事態、つまり自宅を競売にかけられてしまう可能性が極めて高くなるのです。

競売となれば、これまでの人生の拠り所であった大切な住まいを手放さなければなりません。

しかし、早期の適切な対処次第では、競売を回避できる可能性も残されています。

つまり、3ヶ月の滞納に至った時点で、いよいよ危機的状況に立ち至ったと認識する必要があります。

この先、一歩も遅れを取れば、取り返しのつかない事態を招いてしまう可能性が極めて高くなるのです。

そうならないために、この記事ではまず、滞納3ヶ月時点の深刻な状況と、その初期対応について解説します。

競売に至るリスクを回避する方法も丁寧に説明しています。

この機会に、ぜひ内容を確認し、適切な一手を打っていただく一助になれば幸いです。

 

住宅ローンを3ヶ月滞納している人が置かれた状況と初期対応

住宅ローンの返済が3ヶ月滞納に至ると、借り手は極めて深刻な事態に見舞われます。

この時点で、金融機関から重要な通知が届き、今後の対応次第では自宅の差し押さえや競売のリスクさえ生じかねません。

3ヶ月滞納に陥った借り手は、一体どのような厳しい状況に置かれているのでしょうか。

また、そこからの脱却に向けて、初期段階でどのような対応をすべきなのでしょうか。

この章では、住宅ローン3ヶ月滞納時の深刻な実態と、その際に求められる初動対応について解説します。

競売に至るリスクを回避するための適切な手順を、ここで確認していただく必要があります。

 

3ヶ月滞納で期限の利益を失う恐れ

住宅ローンの3ヶ月滞納は、借り手にとって極めて危険な状況をもたらします。

なぜなら、この時点で「期限の利益」を失う可能性が高まるからです。

期限の利益とは、ローン残高の全額を一括して返済する義務を免れる権利のことを指します。

この利益が失われると、金融機関から残りの借入金の全額を一括で返済するよう求められてしまいます。

一般的な住宅ローンでは、数千万円単位の残高があることが珍しくありません。

そのような巨額を一括で用意できる借り手は、ほとんどいないでしょう。

そのため、期限の利益を失うと、自宅の差し押さえや強制競売に直結する深刻な事態に見舞われる可能性が極めて高くなるのです。

3ヶ月滞納に至った時点で、期限の利益喪失の危険性が一気に高まります。

この重大な事態を回避するためにも、早急な対応が求められます。

 

銀行から催促状が届く

住宅ローンの返済が3ヶ月滞納に至ると、金融機関から重要な通知である「催促状」が届きます。

この催促状には、期日までに滞納している住宅ローンの元金、利息、遅延損害金を支払わないと「期限の利益を喪失する」旨が明記されています。

期限の利益を失えば、残りの借入金全額を一括返済しなければならなくなります。

また、このままでは法的手続きに移行する旨も併せて通知されています。

滞納1〜2か月目に届くはがきよりも、内容は遥かに厳しい督促となっているのです。

催促状が届けば、借り手は滞納に対する厳しい現実を突きつけられることになります。

しかし、この通知を無視して放置を続ければ、次第に状況は一層深刻化していくことになってしまいます。

 

早期の銀行相談が重要

3ヶ月滞納に至り、金融機関から厳しい催促状が届いた場合、借り手がまず行うべきことは、早期に銀行に相談することです。

ただし、この相談は単なる事情説明にとどまってはいけません。

今後の返済計画を具体的に立て、それを提示する必要があります。

返済計画を作成する際は、家計の見直しから始めましょう。

無駄な支出を徹底的に削減し、ローン返済に回せる資金を最大限確保する必要があります。

収入の見込みも的確に立てる必要があります。

そして、実現可能な返済スケジュールを立案し、銀行側に提示します。

一定期間の返済猶予や借り換えなどの条件緩和を求めるのも一案でしょう。

銀行側も、借り手が真剣に返済に取り組む姿勢を示せば、できる限り協力してくれる可能性は高まります。

しかし、行動を起こさずに放置を続ければ、事態は一層悪化するだけです。

3ヶ月滞納の危機的状況から脱するには、早期の銀行相談と、着実な返済計画の立案が不可欠なのです。

 

住宅ローンの滞納から競売までの流れ

3ヶ月滞納後に適切な対応を怠ると、次第に住宅ローンの滞納問題は深刻化し、最悪の事態である自宅の強制競売に至ってしまいます。

この章では、滞納から競売開始に至るまでの法的手続きの流れと、各段階で借り手側に求められる対応をタイムライン順に解説しています。

競売を回避するためには、初期対応が極めて重要です。

このまま競売に至ってしまう前に手が打てるよう、この章で流れを把握しておきましょう。

 

3~6ヶ月経過で催告書が届き、期限の利益喪失通知が来る

住宅ローンの滞納が続くと、滞納から3~4ヶ月が経過した頃に、金融機関から重要な通知である「催告書」が届きます。

この催告書には、「期日までに滞納している住宅ローンの元金、利息、遅延損害金を支払わないと『期限の利益の喪失』となる」旨が明記されています。

また「このままの状況では法的手続きを取る」とも通告されます。

滞納1~2ヶ月目に届くはがきよりも、内容は遥かに厳しい督促となっているのです。

期限の利益の喪失とは、住宅ローンで言えば「返済期間内で分割して返済する権利を失う」ことを意味します。

つまり、分割払いによる返済はできなくなり、一括返済を求められるということです。

さらに滞納が続き6ヶ月が経過すると、今度は「期限の利益喪失」を正式に通知する文書が金融機関から届きます。

この通知が来た時点で、借り手は住宅ローン残高全額を一括返済する義務を負うことになります。

つまり、滞納から半年以内に、一括返済を求められる重大な事態に見舞われる可能性があるということです。

早ければ4ヶ月程度で通知が来る場合もあります。

 

保証会社による代位弁済が実行される

期限の利益を喪失すると、住宅ローンの残債を一括返済しなければなりません。

しかし、借り手がそれができない場合、保証会社が立ち上がり、代わりに金融機関へ残債を支払います。

これが「代位弁済」と呼ばれる行為です。

代位弁済が行われると、金融機関への債務は消え、代わりに保証会社に対する新たな債務が発生します。

保証会社は、支払った残債の返済を借り手に求めてくるのです。

つまり、債権者が金融機関から保証会社に代わるという形になります。

金額は同じですが、請求の窓口が変更されるということです。

代位弁済後は、保証会社から通知書が届きます。

この通知には、残債と遅延損害金の一括返済を求める内容が記載されています。

遅延損害金は、一般的に残債額の14%程度が上乗せされます。

仮に1,500万円の残債があれば、1カ月で18万円の遅延損害金が発生するといった具合です。

したがって、代位弁済がなされても、借り手は高額の一括返済を求められる立場に追い込まれてしまいます。

このままでは、次は住宅の差し押さえと競売への流れとなってしまうのです。

代位弁済により一時的に競売は免れますが、その後の適切な対応が改めて必要不可欠になります。

専門家に相談しながら、対処法を探る必要があるでしょう。

 

6~10ヶ月で競売開始決定通知が届く

滞納からさらに時間が経過し、6ヶ月〜10ヶ月が過ぎると、今度は金融機関から「競売開始決定通知」が届きます。

この通知が来た時点で、住宅の差し押さえと競売手続きの開始が正式に決定したことを意味します。

この通知には、「担保不動産を差し押さえました」と明記されています。

差し押さえ情報は不動産登記簿にも記載され、第三者からも確認できる状態になってしまうのです。

競売開始決定通知が届いた後は、基準価格を査定するため、裁判所の執行官が自宅に調査に訪れます。

事前に調査日時を知らせる通知が送付されてきます。

当日は執行官と不動産鑑定士の2名が来訪し、道路状況の確認、隣人への聞き取り、各部屋の状況写真撮影などを行います。

住人への事情聴取もあります。

もし当日不在の場合でも、執行官は開錠して調査を実施することができます。

法的根拠に基づく強制的な調査なので、受け入れざるを得ません。

競売開始決定通知が届いた時点で、いよいよ住宅の競売が目前に迫っていることが分かります。

しかし、この段階でも「任意売却」により競売を回避する可能性は残されています。

ただし、時間的な余裕はほとんどありません。

一刻も早く、専門家に相談することが重要となります。

 

12~16ヶ月で期間入札の通知が届く

住宅ローンの滞納が長期化し、競売手続きが進行すると、12ヶ月から16ヶ月が経過した頃に「期間入札の通知」が届きます。

この通知が来た時点で、いよいよ競売がスタートする危機的状況となります。

この通知には、入札期間と開札期間の具体的な日時が記載されています。

入札期間とは、第三者が裁判所に対して、その不動産を購入したい金額を申し込むことができる期限のことです。

通常、入札期間は1週間から2週間程度が設けられます。

つまり、この通知が届いてすぐに、不動産の入札が開始されてしまうということになるのです。

入札が開始されると、第三者から購入希望の申し込みが相次ぎます。

そして入札期間終了後の開札で、最高金額を申し込んだ買主が決定します。

買主決定後は、裁判所から買主への所有権移転と抵当権抹消の登記手続きが行われ、買主から代金が納付されることで競売が完了します。

一度競売が開始されると、所有者の意思に関係なく強制的に不動産が売却されてしまうのです。

多くの場合、この入札がスタートしてしまえば、金融機関は任意売却を認めてくれなくなります。

つまり、この段階で任意売却による解決は現実的ではないと言えます。

ただし、まれにイレギュラーケースで、開札日前日までなら任意売却を認める例もあります。

しかし、そこまで時間的な猶予はほとんどありません。

この通知を受け取ったら、直ちに専門家に相談し、対処法を探る必要があるでしょう。

 

競売を回避する対処法

住宅ローンの返済が3ヶ月滞納に至ると、借り手は極めて危機的な状況に直面することになります。

この時点で適切な対応を怠れば、次第に自宅の差し押さえや競売に向けた法的手続きが進行していく可能性が高まります。

しかし、3ヶ月滞納の段階であれば、まだ競売を回避する機会が残されています。

この重大な局面で、いかに的確な対処を行うかが、事態の収拾に向けた大きな分岐点となります。

この章では、住宅ローン3ヶ月滞納に見舞われた際の、主な対処法について解説します。

競売の危機が一層高まる前に、すぐさま実行に移せる方策をご紹介します。

借り手自身の早急な行動次第で、大切な住まいを守り抜くことができるかどうかが決まります。

一日一日を大切に、着実に対策を講じていけば、事態の好転は十分に期待できるはずです。

3ヶ月滞納は決して深刻すぎる状況ではありません。

この章を参考に、一刻も早く専門家に相談するなどして、競売の最悪のシナリオに陥る前に、しっかりと立ち向かっていきましょう。

 

金融機関に相談する

住宅ローンの返済が3ヶ月滞納に至った時点で、まずは金融機関に早期に相談することが賢明です。

この段階であれば、まだ返済計画の見直しなどに応じてもらえる可能性があります。

金融機関に対し、現在の返済額の継続が難しい状況を正直に説明します。

真剣に返済に取り組む姿勢を示せば、金融機関も前向きに対応してくれるかもしれません。

具体的には、返済期間の延長や、一定期間の返済猶予など、返済条件の緩和を求めていきます。

リスケジューリングと呼ばれる、返済計画の見直しに応じてもらえるケースもあり得ます。

3ヶ月の滞納であれば、まだ金融機関の信用を一定程度維持できている可能性があります。

この機会を活かし、できる限り有利な条件を引き出すよう、丁寧に交渉を重ねていく必要があります。

ただし、いずれ返済再開の目処が立たなければ、結局は競売に向かってしまう恐れがあります。

金融機関との交渉と並行して、専門家にも相談するなど、本格的な返済対策を検討する必要があるでしょう。


任意売却による一括返済

皆さんは現在、住宅ローンの返済が滞り、自宅の差し押さえや競売の危機に見舞われている状況にあります。

こうした最悪の事態を回避するための最終手段が、任意売却による一括返済です。

任意売却とは、強制的な競売ではなく、あくまでも皆さん自身の意思で自宅を売却し、その売却代金を一括して金融機関やローン保証会社に返済する方法です。

競売とは異なり、自らの判断で売却できるメリットがあります。

競売の場合、時間的制約から適正価格を下回る査定になりがちですが、任意売却なら十分な売却活動ができるため、より高い査定が期待できます。

ただし、任意売却を実行するには時間的な余裕が必要不可欠です。

競売開始が目前に迫った段階で検討しても、もはや手遅れになっている可能性が高いのです。

つまり、今すぐ行動を起こさなければなりません。

一日も早く、任意売却のための準備を始めることが何より重要です。

専門家に相談し、着実に対処を進める必要があります。

自分の意思で住まいを守り抜くチャンスは、まだ残されていると信じてください。

 

自宅に住み続けたい場合はリースバックを検討

すでに何ヶ月も滞納が続き、滞納分の一括返済が困難な状況にあっても、最後の手段としてリースバックを検討するのも一案でしょう。

リースバックとは、自宅を第三者に売却した後も、賃貸として住み続けることができる方法です。

売却代金を一括で受け取り、滞納分も含めた住宅ローン残債を完済できれば、賃借人として今までの住まいに留まり続けられます。

自宅の所有権は失われますが、引っ越しの手間が省けるメリットがあります。

さらに、賃貸料の方が現在の住宅ローン返済額より安くなる場合もあり、住居費の負担が軽減される可能性もあります。

ただし、リースバックが成立するかどうかは、滞納分を含めた完済金額次第です。

この金額で第三者が自宅を買い取ってくれるかがポイントになります。

リースバックにも一定の条件はありますが、競売を回避し、今までの住まいを守り抜くための最終手段としての選択肢にはなり得ます。

自宅に住み続けたい方は、専門家に相談してリースバックの可能性を探ってみましょう。

 

任意売却のメリットと選択のタイミング

前章で解説したとおり、住宅ローンの滞納から競売の危機を回避する有力な手段が、任意売却による一括返済です。

借り手自らの意思で自主的に不動産を売却し、その代金を金融機関に返済することで、強制的な競売を免れられる可能性があります。

この章では、任意売却の具体的なメリットと、選択のタイミングについて詳しく解説します。

競売の危機に立たされた際、的確な判断と着実な行動を起こすためのヒントをご紹介します。

 

競売より高値で売却可能

任意売却は競売に比べると、不動産の適正価格に近い金額での売却が可能とされています。

ただし、通常の売買とは事情が異なるため、市場相場とまったく同水準の価格で売却できるわけではありません。

一般的に、任意売却の査定額は通常の売買価格の8割から9割程度が目安と言われています。

つまり、市場相場から1割から2割ほど下がった水準になることがほとんどです。

これに対し競売の場合、査定額は市場相場の6割から7割程度にとどまるのが一般的です。

極端な場合、適正価格の半値を下回ってしまい、住宅ローン残債の返済に遊離が生じてしまう可能性もあります。

例えば、市場相場が5,000万円の住宅を所有していたとします。

この場合、任意売却であれば4,000万円から4,500万円程度の査定になると見込めます。

しかし競売になれば、3,000万円から3,500万円程度にとどまる可能性が高くなります。

多くのケースで高額の住宅ローン残債が残っているため、できる限り任意売却を選択し、高い査定額を引き出すことが賢明です。

競売に比べて査定額が高ければ高いほど、残債の返済負担を軽減できるためです。

 

入札前の早期対応がポイント

任意売却を選択する上で最も重要なポイントは、競売の入札開始前に早期に対応を始めることです。

競売手続きが進行し、入札期間の通知が届いてからでは既に手遅れとなっている可能性が高いのが実情です。

この段階で初めて任意売却を検討しても、時間的な猶予はほとんどありません。

競売の流れを止めるには、入札期間に入る前に、任意売却による一括返済を済ませておく必要があります。

そのためにも、できる限り早い段階から専門家に相談し、着実に準備を進める必要があります。

早期対応できれば、十分な売却活動期間を確保できます。

複数の不動産業者を活用して買主探しに努め、競売よりも高い適正査定を引き出せる可能性が高まります。

さらに、競売手続き途中であれば、一時的に手続きの停止を求められる場合もあります。

任意売却の準備ができたことをもって、裁判所に対して手続き停止を要請できる可能性があるのです。

つまり、いかに早期に動き出すかが、任意売却による競売回避の鍵を握っています。

遅れてしまえば、選択肢は一気に狭まってしまいます。

競売の危機に気づいた時点で、一刻も早く対応を開始することが不可欠なのです。

 

競売開始前後における任意売却のタイミング

任意売却で競売を回避するには、競売開始決定通知から概ね4ヶ月程度のタイムリミットまでに、債権者(金融機関やローン保証会社)と交渉し、準備を整える必要があります。

タイミングとしては、大きく分けて2つのケースが考えられます。

①競売開始決定前:
この段階で任意売却による買主が見つかれば、債権者と交渉することで競売開始決定を一時的に猶予してもらえる可能性があります。猶予期間は債権者によって異なりますが、おおむね2〜6ヶ月程度が一般的です。この間に任意売却を完了できれば、競売を回避できます。

②競売開始決定後:
決定後であっても、債権者の承諾が得られれば任意売却は可能です。ただし、この場合は競売と任意売却を並行して進めることになります。開札日の前日までに任意売却でまとまり、物件の引き渡しができれば、競売は取り下げられます。しかし開札日前日までに買主が見つからなければ、競売の落札者の同意なく債権者だけでは競売取り下げはできなくなります。

つまり、競売開始決定後の任意売却は時間的猶予がほとんどないため、早急に専門家に相談し、スピード対応する必要があります。

決定前の方が有利ですが、決定後でも可能性は残されている場合もあります。

 

リースバックのメリットと活用のポイント

住宅ローンの返済が滞り、自宅の差し押さえや競売の危機に見舞われた場合、任意売却による一括返済が有力な対処法として挙げられます。

任意売却を選択すれば、競売よりも高い査定額が期待でき、さらに売却時期を自由に選べるメリットもあります。

しかし、任意売却の選択肢には一つ大きな課題があります。

それは、売却後の住まいの確保の問題です。

任意売却を実行すれば、これまでの住まいを手放さざるを得なくなります。

そこで注目されるのが「リースバック」と呼ばれる手法です。

リースバックとは、任意売却によって自宅を売却した後、売却物件を借り手が賃借する方式のことを指します。

つまり、所有権は失うものの、今までの住まいに賃借人として住み続けられるというメリットがあるのです。

任意売却と合わせてリースバックを活用すれば、一時金の確保と住環境の維持を両立できる可能性があります。

この章では、リースバックの具体的なメリットと、活用するための着眼点、留意点などについて解説します。

住宅ローン滞納に見舞われた際の選択肢として、リースバックの有効活用法を押さえておきましょう。

 

リースバックとは

リースバックとは、住宅を売却した後、売却物件を借り手自身が賃借する方式のことを指します。

任意売却であれば、売却後は住まいを失ってしまいます。

しかしリースバックを活用すれば、所有権は失うものの、今までの住まいに賃借人として住み続けられるというメリットがあります。

具体的には、借り手が不動産会社や投資家に対して住宅を売却し、一括返済を済ませた後、その物件を不動産業者や投資家から賃借する流れになります。

競売ではなく通常の売却で物件を取得できるため、適正な価格での取引が可能となります。

そして借り手は、売却代金から住宅ローン残債を返済した後の残額を一時金として受け取れます。

その上で、売却した物件に賃借人として住み続けられるのです。

 

リースバックのメリット

リースバックには、借り手側にとっていくつかのメリットがあります。

第一に、引っ越し費用の削減が可能な点が挙げられます。

売却後に転居する必要がないため、面倒な引っ越し作業やそれに伴う費用を抑えられます。

第二に、今までと変わらない住環境を維持できることです。

住み慣れた地域から離れる必要がなく、子どもの通学圏や家族のコミュニティーなどを守れます。

環境の変化によるストレスも軽減できます。

第三に、住宅資産の現金化が可能な点がメリットとして挙げられます。

売却代金から住宅ローン残債を返済した後の残額を一時金として受け取れるため、他の用途への資金活用の余地が生まれます。

このように、リースバックを活用すれば、住宅の売却による一時金の確保と、今後の生活環境や住居費の維持を両立できるメリットがあります。

状況次第では、返済問題の解決に大きく役立つ可能性があるでしょう。

 

リースバックの留意点

リースバックにはメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。

活用を検討する際は、これらの点にも留意が必要です。

第一に、リースバック後は毎月家賃を支払う必要があります。

家賃は物件の状態や立地、環境などを勘案して決められますが、一般的に売却価格を基準に利回りや相場を鑑みて設定されます。

第二に、売却価格が一般の売買よりも低くなる傾向にあります。

リースバックの売却価格は、一般査定価格を下回るケースもあるため、事前に見積額を比較しておくことが賢明でしょう。

第三に、住宅ローン残債によっては利用できない可能性があります。

売却価格が残債を下回る場合、抵当権を外せないため自宅売却とリースバックが不可能になってしまいます。

第四に、賃貸借期間に制限がある点も押さえておく必要があります。

定期借家契約の場合、契約期間満了後は貸主次第で契約更新が認められない可能性があります。

長期の住み続けを希望するなら、普通賃貸借契約での契約が賢明です。

このようにリースバックには一定の制約もあり、メリット面とデメリット面を冷静に見極める必要があります。

自身の状況に合致するかどうかを総合的に判断した上で、活用を検討するべきでしょう。

 

まとめ:早期の専門家相談が賢明

本記事では、住宅ローンの3ヶ月滞納に見舞われた際の対処法と、競売の危機から自宅を守り抜く方策について解説してきました。

3ヶ月滞納に至れば、借り手は極めて深刻な事態に直面します。

期限の利益を喪失し、一括返済を求められかねません。

さらに放置を続ければ、自宅の差し押さえと競売の危険性が高まっていきます。

競売が開始されれば、所有者の意思に関係なく強制的に住宅が売却されてしまいます。

生活の拠点である大切な住まいを失うリスクは、借り手にとって最悪のシナリオと言えるでしょう。

しかし、競売に至る前の早い段階から適切に対処すれば、事態の改善は十分に期待できます。

家計の見直しと確実な返済計画の立案、金融機関への相談と返済条件の緩和交渉、さらには任意売却やリースバックの活用などの選択肢があります。

ただし、どの対処法を選んでも、時間的な制約は避けられません。

特に任意売却は、競売の手続きが進行してしまえば既に手遅れとなってしまう可能性が高いのが実情です。

つまり、3ヶ月滞納に気づいた時点で、一刻も早く動き出すことが何より重要なのです。

専門家に相談し、的確なアドバイスを受けながら、着実に対策を講じていく必要があります。

住宅ローン問題は、人生に関わる重大な課題です。

自力だけでは解決が難しい場合も多く、信頼できる専門家の力を借りることが賢明な選択となるでしょう。

一日でも遅れれば、取り返しがつかなくなる前に、今すぐ専門家への相談を検討しましょう。

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