コラム

住宅ローン滞納者必見!何回まで許容される?返済困難時の対処法とは

住宅ローンの返済は、我々の生活に大きな影響を与える重要な財務管理の一部です。

しかし、予期せず収入が減ったときや予期せぬ出費があったときなど、さまざまな理由で住宅ローンの返済が滞ることがあります。

ここでは、そんな時に起こり得るリスクを認識し、適切な対処をするために知っておくべき情報を提供します。

まず最初に理解しておくべきことは、一度でも住宅ローンの返済が滞ると、信用情報に「滞納」記録がつくということです。

これは、今後の借入れやクレジットカードの更新など、あらゆる金融取引に影響を及ぼす可能性があります。

さらに返済が滞る期間が長いほど厳しい措置が取られ、最終的には家屋の競売という結果を招く可能性もあります。

それでもそのリスクを軽減する方法はあります。

そのためには、いつ、何回滞納が許容されるのか、滞納が続くとどのような流れでどんな事態になるのかを理解することが必要です。

また、問題が発生した場合の対処法も併せて理解すれば、安心して生活を送ることが可能になるでしょう。

この記事は、そんなあなたをサポートするために、住宅ローン滞納のリスク認識から滞納時の対処法までを詳しく解説します。

これからご紹介する情報が、あなたの賢い住宅ローン管理に役立つことを願っています。

 

住宅ローン滞納が起こるとどうなるのか:滞納から競売までの流れ

住宅ローンが滞納されると、具体的にどのような事態が起こるのでしょうか。

金融機関からの催促状の発行から、最終的には自宅が競売に掛けられるまで、一連の流れを理解することは非常に重要です。

なぜなら、早期に適切な対応を行うためには、滞納から競売に至るまでの具体的なステップを知っておく必要があるからです。

この章では、住宅ローンの滞納が発生した場合の具体的な流れを、時間軸に沿って詳しく解説します。

住宅ローン滞納が起こった際にどのような通知が届き、どれだけの時間が経てば家が競売に掛けられるのか、そのすべてを明らかにします。

これにより、あなたは滞納に対する対応をより適切に行うことができるでしょう。

 

1ヶ月~3ヶ月:金融機関から催促状や催告書が届く

住宅ローンの返済が滞ると、最初に起こる事象は金融機関からの催促です。

滞納が初めて起こった場合でも、通常はすぐに金融機関から支払い請求書が送られます。

これは、早急な返済を促すもので、滞納があったことを正式に通知するためのものです。

支払い請求書には滞納額とその返済期限が明記されています。

これを無視してしまうと、金融機関からの催促が更に強まるだけでなく、信用情報に「滞納」という記録が付けられる可能性があります。

この「滞納」の情報が信用情報機関に登録されると、今後の借入れやクレジットカードの更新などの金融取引に大きな影響を及ぼします。

また、滞納が続けば続くほど、債務の返済が難しくなり、最終的には自宅が競売にかけられる可能性も出てきます。

したがって、支払い請求書が届いたらすみやかに対応し、滞納を解消することが重要です。

初期の段階で適切な対策を講じれば、これらの問題は避けることが可能です。

また、滞納が2ヶ月以上続くと、金融機関から催告書が送付されることもあります。

催告書とは、借り手に対して金銭債務の履行を求める正式な手続きの一つで、これが送付されるということは滞納が深刻な段階にきていることを示します。

この1ヶ月~3ヶ月の間が最初の猶予期間とも言えるでしょう。

この期間に滞納を解消すれば、より重大な問題が発生することを避けることが可能です。

しかし、この期間を過ぎても滞納が続くと、それに対する対応はより厳しくなります。

 

3ヶ月~6ヶ月:期限の利益喪失通知、代位弁済通知書が届く

住宅ローンの滞納が3ヶ月以上になると、金融機関からはより厳格な通知が発行されます。

具体的には、「期限の利益喪失通知」や「代位弁済通知書」が送られることが多いです。

期限の利益喪失通知とは、元々設定されていた返済期間が一旦無効となり、全額一括での返済を求める通知です。

これが届くと、分割での返済が認められなくなるため、一度に大きな額を返済しなければならなくなります。

一方で、代位弁済通知書は、金融機関が債務保証人に対して、債務者の代わりに債務を弁済するよう求める通知です。

これが発行されると、保証人に対する返済の責任が発生します。

これらの通知が届いた場合は、滞納が深刻化しており、迅速な対応が必要となります。

この段階では、専門家の意見を求めたり、金融機関との交渉に入るなどして滞納問題の解決を図ることが推奨されます。

 

6ヶ月~9ヶ月:「競売開始決定通知」が届く

住宅ローンの滞納が6ヶ月以上も続くと、より一層深刻な状況になります。

この期間になると、「競売開始決定通知」が金融機関から送られてくることがあります。

競売開始決定通知とは、その名の通り金融機関が滞納した資産、つまり自宅を競売にかける手続きを開始することを通知する文書です。

これが届いた時点で、金融機関は既に裁判所に競売を申立てている可能性が高くなります。

この通知が届いた場合、既に競売を防ぐのは困難となりますが、専門家の助けを借りて対策を立てることも遅すぎるということはありません。

競売開始前に返済問題を解決したり、任意売却により自宅を手放すことで競売を免れる選択肢もあります。

ただし、これらの手続きには時間がかかるため、一刻も早い対応が求められます。

 

9ヶ月~12ヶ月:裁判所の執行官による現況調査

住宅ローンの滞納が9ヶ月以上になると、さらに深刻な状況へと進行します。

この時期になると、裁判所の執行官が自宅を訪れ、現況調査を行う可能性があります。

現況調査とは、具体的には自宅の状態、物件の価値、住まいの状況などを確認するための調査です。

これは、競売を進行するための準備段階となります。

執行官による現況調査は、競売開始決定通知が発送された後に行われることが一般的です。

この段階になると、滞納が解消されない限り自宅が競売にかけられるという事態はほぼ避けられなくなります。

しかし、まだ競売が始まっていないため、滞納の解消や任意売却によって競売を防止する機会は残されています。

それでも、この段階に来てしまうと自力での対応は困難であり、専門家の助けを借りることを強く推奨します。

 

12ヶ月~16ヶ月:期間入札決定通知書が届く

もしも住宅ローンの滞納が12ヶ月から16ヶ月に及ぶと、いよいよ「期間入札決定通知書」が裁判所から送られてきます。

この通知が届いた時点で、競売手続きが正式に進行することが確定します。

期間入札決定通知書には競売日や開始時間、競売物件の詳細、最低落札価格など、競売に関する重要な情報が記載されています。

この通知が届くと、通常は1~2ヶ月後に競売が開始されます。

この段階になると、競売を防ぐためには滞納金を全額返済するか、任意売却により自宅を売却するしかありません。

ただし、これらの手続きには時間がかかるため、通知が届いた瞬間には既に手遅れとなることもあります。

そのため、滞納が長期化してこのような段階に至る前に、早期の段階で対応を始めることが重要です。

 

16ヶ月~:家が差し押さえられ、立ち退きを要求される

住宅ローンの滞納が16ヶ月以上続くと、家が差し押さえられてしまいます。

競売により代金が落札者に支払われると、所有権は強制的に移転されます。

差し押さえの通知があった後、あなたは家から立ち退くよう要求されます。

所有権が移転された後では、前の所有者の意思や状況等は考慮されず、例え居住中であっても「不法占拠」とみなされ、強制的に退去させられてしまいます。

何より重要なのは、この段階に至らないよう、早期の対策を講じることです。

金融機関とのコミュニケーションや借り換えなどで事態を好転させることが可能です。

 

滞納時の対策:具体的な手順と方法

滞納が始まった時点で、すぐに必要なのが具体的な対策です。

ここでは、住宅ローンの滞納が深刻化する前に取り組むべき具体的な手順と方法をご紹介します。

これらの対策を早期に講じることで、住宅ローンの滞納から生じる様々な問題を未然に防ぎ、また解決へと導くことが可能となります。

 

金融機関との話し合い

滞納が始まったら、まずは金融機関との話し合いを行うことが重要です。

多くの場合、金融機関は債務者の返済能力に応じた返済計画を提示してくれます。

そのため、具体的な返済困難の原因や、どれくらいの返済が可能なのかなどを具体的に伝えることが大切です。

また、借り換えや返済期間の延長など、滞納を解消するための方法も一緒に話し合うことができます。

これにより、返済計画が見直され、より返済がしやすい状況を作ることも可能となります。

ただし、金融機関との話し合いは専門的な知識が求められるため、不安な場合は専門家に相談しましょう。

専門家は金融機関との交渉を代行することもあります。

この初期の段階で適切な対応を行うことで、より深刻な滞納の問題を防ぐことができます。

 

住宅ローンの借り換え

滞納の解消策の一つとして、住宅ローンの借り換えがあります。

借り換えは、現在の住宅ローンの金利や返済条件が厳しく、返済が困難であるときに有効な手段です。

借り換えを行うと、他の金融機関から新たな住宅ローンを借りて、現在の住宅ローンを完済することができます。

新しい住宅ローンは、金利が低かったり、返済期間が長かったりするため、月々の返済額を減らすことが可能です。

ただし、借り換えを行うには新たな金融機関からの審査が必要であり、審査に通らないと借り換えができません。

そのため、早めに借り換えの可能性を探り、適切なタイミングで手続きを進めることが大切です。

また、借り換えには専門的な知識が必要ですので、不安な場合は住宅ローンの専門家に相談しましょう。

専門家は借り換えのメリット・デメリットを詳しく説明してくれるだけでなく、最適な金融機関の選択や審査のサポートも行ってくれます。

 

個人再生手続き

住宅ローンの滞納が続き、自力での返済が難しくなった場合には、「個人再生手続き」が一つの選択肢となります。

特に住宅ローンについては「住宅ローン特例」という制度があり、これを利用することで住まいを手放すことなく、債務を整理することが可能になります。

個人再生手続きは裁判所を通じて行われ、債務の大幅な減額や返済計画の見直しが行われます。

これにより、住宅ローンの返済負担を軽減した上で、生活を続けながら債務の返済を進めていくことができます。

また、手続きが成功すれば、競売の申し立てを阻止することも可能です。

しかし、個人再生手続きにはメリットだけでなくデメリットもあります。

一つは、手続きが成功した場合でも、信用情報機関に個人再生の事実が登録されてしまうことです。

これにより、新たな借り入れや住宅ローンの組み換えなどが一定期間制限されてしまいます。

また、手続き自体が専門的な知識を必要とするため、専門家の助けを借りることが推奨されます。

このように、個人再生手続きは一長一短ですが、滞納解消の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

リースバックやリバースモーゲージ

住宅ローンの滞納が続き、自宅を手放すことを検討せざるを得ない状況でも、リースバックやリバースモーゲージといった制度を利用することで、自宅に住み続けることが可能です。

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却し、そのまま賃貸として住み続けることを指します。

これにより、一時的にでも返済資金を得ることができます。

ただし、将来的には家を買い戻すことが難しくなるため、慎重な判断が必要です。

一方、リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から融資を受け、その融資で生活費を賄う方法です。

この制度を利用すれば、自宅を手放すことなく一定の生活費を確保することが可能です。

ただし、リバースモーゲージによる融資は返済する必要があり、また融資が終了した後は自宅を金融機関に売却しなければならない点を理解しておく必要があります。

どちらの制度も長期的な視点で考えるとデメリットも存在しますが、短期的な経済的困難を乗り越える一助となる可能性があるため、検討してみる価値はあります。

ただし、どちらの手段も専門的な知識が必要となるため、具体的な手続きを進める前に専門家への相談が推奨されます。

 

任意売却

住宅ローンの滞納が続き、返済が困難になった場合、自宅を手放す方法の一つとして「任意売却」が考えられます。

任意売却は、自分自身で自宅を売却し、その売却代金で住宅ローンを返済するという方法です。

競売に出されるよりも高値で自宅を売却できる可能性があるため、返済額を最大限に回収することができます。

しかしながら、自宅を手放すことは大きな決断です。

そして、任意売却の手続きは非常に複雑で、専門的な知識が必要となります。

適切な価格設定や売却先の選定、手続きの流れなど、多くの困難が伴います。

また、売却後の生活設計も必要となるため、誰かの助けを借りて進めることが推奨されます。

仕組みを理解した上で、自身の状況と照らし合わせて慎重に考えることが重要です。

専門性が求められるこれらの手続きについて、当協会では任意売却を専門としてサポートを提供しております。

適切な価格設定、売却先の選定、売却までの手続きの流れの説明など、売却がスムーズに進むよう全面的にバックアップします。

また、売却後の生活設計についてもアドバイスを行い、新たな生活へのスタートをサポートします。

 

自己破産とその影響

住宅ローンの滞納が深刻化し、再生手続きや任意売却など他の手段で解決できない場合には、「自己破産」を選択することも考えられます。

自己破産とは、裁判所に自己の破産を申告し、全ての債務を免除してもらう法的な手続きです。

自己破産を行うと、一定期間の生活保護費や退職金の一部などを除き、全ての財産が差し押さえられます。

また、自宅も売却され、売却代金は債権者に分配されます。

自己破産の最大のメリットは、債務が全額免除されることで、新たなスタートが切れる点です。

しかし、一方で大きなデメリットもあります。自己破産の情報は信用情報機関に登録され、一定の期間新たな借入れが困難になります。

また自宅を含む財産を失うため、生活環境が大きく変わることを覚悟しなければなりません。

自己破産は大きな決断です。そのため、事前に専門家の意見を伺い、自身の状況と照らし合わせて慎重に考えることが重要です。

 

まとめ:住宅ローン滞納について理解し対策を立てよう

住宅ローンの滞納は、生活全般に影響を及ぼし、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

しかし、その問題には必ず解決策が存在します。

金融機関との話し合いや返済計画の見直し、そして借り換えなど、さまざまな選択肢があります。

さらに深刻化した場合でも、個人再生手続きや任意売却といった手段を利用すれば、自身の状況を改善することが可能です。

特に任意売却は、自宅を手放すという辛い選択をしなければならない場合でも、競売より高値での売却が期待でき、新たなスタートを切る一助となります。

最終的に自己破産を選択する場合でも、それが新たなスタートへの一歩となることを忘れないでください。

どの道を選択するにせよ、専門的な知識や経験が必要な場面も多いため、専門家に相談することをお勧めします。

何よりも重要なのは、早期に適切な対策を講じ、自身の生活と将来について深く考えることです。

この記事があなたの住宅ローン滞納問題解決の一助となれば幸いです。

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