コラム
投資用マンションの任意売却は可能?残債減少と競売回避の手法を解説
投稿日:2023/11/30 更新日:2024/03/21
投資用マンションを購入したものの、思うような収益が上がらず、逆にローン返済に困ってはいませんか?
そんな時、知っておきたいのが“任意売却“という手段です。
これは、自分から進んでマンションを売ることで、ローン返済の重荷を軽減しようとする方法なのです。
しかし、一体どんな流れで行うのか、どういった注意点があるのか、初めての方にとっては分かりづらい部分も多いでしょう。
そこで本記事では、投資用マンションの任意売却について、その必要性から手続きの流れ、さらには任意売却後の対応策まで詳しく解説します。
これを読めば、任意売却についての基本的な知識を持ち、自己の状況に合った最善の選択ができるようになることでしょう。
投資用マンション任意売却の必要性
いざという時に備えて知っておきたい“任意売却“。
でも、そもそもなぜ投資用マンションを任意売却する必要があるのでしょうか?
その背景には、ローン返済に困窮するという事態があります。
ここでは、そんな困窮する理由と、任意売却という選択肢がもたらすメリットについて、わかりやすく解説します。
ローン返済に困窮する理由
投資用マンションを所有していると、年に一度の固定資産税や都市計画税の支払いが必要となります。
これらは物件の立地により金額が変動しますが、しっかりと計算に組み込んでおかないと、思わぬ出費となることもあります。
また、賃貸物件としてマンションを運用している場合、築年数が経過するにつれて家賃収入が下がる傾向にあります。
そして、退去者が出たときには修繕費やクリーニング代など、再度賃貸可能な状態に戻すための費用が発生します。
これらの出費が積み重なると、予定していたよりもローン返済が厳しくなってしまうことも。
その結果、「ローン返済に困窮する」という状況に立たされてしまうのです。
競売と任意売却の違いとメリット
ローン返済に困窮した場合、物件を手放す方法として一般的に知られるのが「競売」と「任意売却」です。
でも、これらは何がどう違うのでしょうか?
競売は、所有者がローン返済ができなくなった時に裁判所が介入し、不動産を強制的に売却する手続きです。
しかし、この方法だと物件は市場価格よりもずっと安く売却されてしまうことが多いため、大きな損失を被る可能性があります。
一方、任意売却は、所有者が自ら進んで不動産を売却する方法です。
専門の不動産会社に依頼して市場価格で売却しようとするため、競売よりも高い価格で物件を売ることができます。
さらに、自身でタイミングを選べるため、焦らず準備することが可能です。
つまり、任意売却のメリットは、自分のペースで計画を立てられ、なおかつ高額で物件を売却できる可能性があるという点にあります。
これにより大きな損失を避けつつ、ローン返済の負担を軽減することが可能となります。
投資用マンション任意売却の手続きと流れ
さて、ここで気になるのは「任意売却をするためには、具体的にどのような手続きが必要なのか?」ですよね。
思い切ってマンションを売る決断をしたら、次は行動に移すステップです。
ここでは、任意売却の手続きとその流れを、初心者の方でも簡単に理解できるように詳しく解説します。
物件価格の査定とローン残債の確認
任意売却の一歩目は、まず自分が所有する投資用マンションの価格をしっかりと把握することです。
これを行うには、複数の不動産会社に物件の査定を依頼するのが良いでしょう。
それぞれの不動産会社が物件の立地や築年数、状態などを評価して市場価格を算出します。
複数に依頼することで、より適正な査定価格を得ることが可能となります。
次に確認するのがローン残債。
これは現在あなたがまだ返済しているローンの残りの金額のことです。
これを把握しておくことで、売却金額からどれだけのローンが返済できるのか、また残債が発生する可能性があるのかを見極めることができます。
物件価格の査定とローン残債の確認を行うことで、実際の売却額とローン返済後の残債額を把握し、具体的な売却計画を立てることが可能となります。
金融機関への交渉
物件の価格とローン残債の額が分かったら、次に進むべきステップは金融機関とのやりとりです。
これはちょっと面倒な作業かもしれませんが、とても大切な部分です。
ここで重要なのが、あなたが「任意売却」を行いたいという意向をローンを組んでいる銀行や金融機関に伝え、その了承を得ることです。
なぜなら、ローンを組む際には物件が担保となり、抵当権が登録されるため、この抵当権を外してもらわなければ売却ができないからです。
また、もし売却金額があなたの残っているローンより少ないときには、その差額をどうするかも話し合う必要があります。
ただ、こうした交渉は専門的な知識があった方が良いので、任意売却の専門業者に依頼するのが一般的です。
専門業者はあなたに代わって銀行と交渉を進めてくれますし、適切なアドバイスも提供してくれるでしょう。
媒介契約の締結と売却活動の開始
金融機関から任意売却の了承を得られたら、次に取り組むべきは「媒介契約の締結」です。
ここで大切なのは、任意売却に経験と知識がある不動産会社(仲介業者)と契約することです。
この契約は、あなた(売主)が物件の売却に関する権限を不動産会社に委託するというものになります。
媒介契約が締結されたら、いよいよ売却活動がスタートします。
不動産会社があなたの代わりに物件の宣伝を行い、買い手を見つけてくれます。
この段階では、不動産会社と密接に連絡を取り合い、活動の進行状況を定期的に確認したり、価格交渉が発生した際の対応を打ち合わせたりすることが大切です。
この一連の流れを通じて、投資用マンションの任意売却をスムーズかつ適切に進めることが可能になります。
売買契約の締結、決済、引き渡し
売却活動が進み、やっと買い手が見つかったら、次に進むのが「売買契約」の締結です。
この契約はあなた(売主)と買い手との間で行われ、買い手が決定的になります。
売買契約が無事成立すれば、次に進むのが「決済」です。
これは、買い手からの支払いを受け取り、それを使ってまず残っているローンを全額返済します。
そして最後に、「引き渡し」が行われます。これは文字通り、物件の鍵を買い手に手渡し、所有権を移転する作業です。
これで任意売却の全ての手続きが完了となります。
こうして、投資用マンションの任意売却は売買契約の締結から決済、そして引き渡しという流れで進められます。
一見複雑に思えるかもしれませんが、一つ一つのステップを踏んで進めていくことで、スムーズに任意売却を達成することができます。
任意売却後の残債処理と対応策
投資用マンションの任意売却が無事に完了したら、ひとまず安心ですよね。
しかし、売却が終わったからといって気を抜いてしまうのは早いかもしれません。
なぜなら、売却金額がローン残債を下回った場合、残りの債務をどう処理するかが問題となるからです。
ここでは、任意売却後に残債が生じた場合の処理方法や対応策について説明します。
売却後も安心して生活を送るための知識を身につけましょう。
任意売却後の残債が生じる理由
任意売却後に残債が生じる理由を簡単に説明すると、それは売却した金額がローン残債を完全にはカバーできないためです。
つまり、売却金額がローン残債よりも少ない場合、その差額が残債として残ってしまいます。
例えば、ローン残債が5000万円あるマンションを、市場の状況などから4500万円で売却したとします。
この場合、500万円の差額が残債となってしまうのです。
このように、物件の価格や市場の状況、ローン残債の大きさなどによって、任意売却後にも残債が生じることがあります。
残債処理の方法と返済計画の立て方
任意売却後に残った債務、つまり残債がある場合、その返済方法と計画を立てることが必要となります。
これがなかなか難しいところですが、適切に対応すれば必ず解決することが可能です。
まず、残債の返済方法ですが、これは基本的に金融機関との交渉によって決まります。
一度に全額返済が難しい場合は、返済期間を延ばして月々の返済額を減らすといった方法が考えられます。
この際、任意売却の専門業者のアドバイスを受け、最適な返済方法を選ぶことが大切です。
次に、返済計画の立て方についてです。
これは自分の月々の収入と生活費を考慮に入れて、無理なく返済できる計画を立てることが重要です。
具体的な金額を明確にし、どのくらいの期間で返済するのか、そのためには月々どれくらいの金額を返済するのかを計画しましょう。
これらを通じて、任意売却後の残債にもきちんと対応することが可能です。
任意売却後の注意点と対策
さて、投資用マンションを売ること、それを“任意売却“と呼びますが、売った後にはちょっとした“注意点“が出てきます。
売ったはいいけど、その後に困っては元も子もありませんよね。
だからこそ、次は「売った後の注意点と、それを上手く乗り越えるための対策」についてお伝えします。
知っておけば安心ですよ!
仲介手数料や遅延損害金の支払い
まず、売却時には「仲介手数料」というお金を支払う必要があります。
これは、簡単に言うとマンションの売却を手伝ってくれた不動産会社への感謝の気持ちみたいなものです。
手数料は一概に決まっておらず、売却額によって変わります。
例えば、マンションが5000万円で売れたら、手数料が3%だとすると150万円が必要になります。
そして、ローンの支払いが遅れてしまった場合には、「遅延損害金」というお金が発生することもあります。
これは、返済が遅れた罰金のようなものです。具体的な金額は金融機関によって決まりますが、遅れた日数と遅れた金額、それに金利を使って計算されます。
これらの費用は、大体はマンションを売却して得たお金から引かれることになります。
これらの金額が幾らになるのか、しっかりと事前に確認して、お金の計画を立てておくことが大切です。
入居者がいる場合の対応
次に、売りたいマンションに「入居者」がいる場合の話です。
もし、あなたが売る前に賃貸に出していた場合、その入居者のことを考えないといけません。
なぜなら、その人たちは急に引っ越さなければならない状況を強いられてしまうこともあるからです。
もちろん、契約内容によっては入居者がそのまま住み続けることも可能です。
でも、それを選ぶかどうかは新しいオーナーが決めることになります。
ですから、早めに入居者の方々に事情を説明し、必要なら新たな住居を探す手伝いをするなど、配慮が必要です。
また、入居者がいるマンションは売りやすい一面もあります。
なぜなら、賃料収入が見込めるため、投資として買いたい人にとって魅力的だからです。
だから、「入居者がいること」を売りポイントとして活用するのも一つの手だと言えます。
新規借り入れが難しくなる問題
いよいよ最後に、「新規借り入れが難しくなる問題」についてお伝えします。
これは、マンションを売った後、新しく借金をすることやクレジットカードの発行が認められなくなる可能性が高くなる、ということです。
その理由は、任意売却が「返済困難」を示す証拠だからです。
金融機関は、これを見て「また返せなくなるかもしれない」と考えるかもしれません。
ですので、新たな借金をする時には、その事実をしっかりと説明し、これからの返済計画や収入状況を示すことが大切です。
ですが安心してください。
これはあくまで一時的な状況です。
時間が経てばまた借りられるようになります。
つまり、少しの間、辛抱強く待つことが求められるわけです。
その間にしっかりとご自分の経済状況を立て直すことで、次なる一歩を踏み出すことが可能になります。
成功する任意売却のための業者選びと相談方法
さあ、ここからは「成功する任意売却のための業者選びと相談方法」についてお話します。
マンションを売るとき、一番大切なのは信頼できる業者を選ぶことです。
なぜなら、その業者が売却の道筋をしっかりと教えてくれるからです。
でも、どうやって良い業者を見つければいいのでしょうか?
そして、その業者にどう相談すればいいのでしょうか?
これから、そのポイントを分かりやすく解説します。
あなたの大切なマンションを上手に売るためのお手伝いができれば幸いです。
専門業者の選び方
まずは、「専門業者の選び方」についてご説明します。
マンションを売るなら、当然プロに頼むのが一番です。
そして、その中でも「任意売却」に詳しい業者を選ぶことが大切です。
どうやって見つけるかというと、まずはインターネットで調査してみると良いでしょう。
業者のホームページや、口コミ情報をチェックすると、その業者が「任意売却」にどれだけ詳しいかが分かります。
また、売却の成功例が多いかどうかも大事なポイントです。
そして、実際に業者に連絡してみて、親切に対応してくれるか確認しましょう。
「分からないこと」をたくさん質問して、丁寧に答えてくれる業者は信頼できると言えます。
でも、焦らず、何社か比較するのも大切です。
自分にとって最適な業者を見つけるためには、少し時間と手間をかけることが必要です。
じっくりと業者選びを行い、マンションの売却を成功させましょう。
相談のタイミングとその重要性
さて、次に大切なのが「相談のタイミング」です。
これは意外と見落としがちですが、成功するためにはとても大事なポイントとなります。
「いつ業者に相談すればいいの?」と思うかもしれませんが、答えは「早ければ早いほどいい」です。
なぜなら、返済に困窮してからでは手遅れになってしまうこともあるからです。
業者への相談を早くすればするほど、より多くの選択肢があるはずです。
また、業者との相談では、ご自分の状況や不安な点を包み隠さず話すことが大切です。
それによって、業者もあなたの状況をより正確に理解し、最適なサポートを提供することが可能になるからです。
要は、「早めに相談し、全てを話す」ことが成功へのカギとなります。
少しでも返済に悩んだら、まずは勇気を出して業者に相談してみましょう。
まとめ:投資用マンション任意売却の知識と対策
それでは、ここで今までのお話をシンプルにまとめてみましょう。
まず大切なのは、任意売却はお金に困った時の一つの解決方法だということです。
ですがその分、手続きが必要となり、売却した後に残る借金の問題や新たにお金を借りることが難しくなるかもしれないという課題もあります。
ですが心配はいりません、きちんと対策を立てればそういった問題もクリアできるはずです。
そして、まずは専門的な知識を持つ業者を選んで早めに相談することが大切です。
業者には全て包み隠さず話すよう心がけ、一緒に問題解決の道筋を見つけましょう。
これらを心に留めておけば、任意売却も怖くないはずです。
あなたらしい選択をして、一歩ずつ進んでいきましょう。
どんな壁でも、きっと乗り越えられます。
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