コラム
それ、自己破産を招くかも。春の教育費で家計がパンクした時の正しい決断
投稿日:2026/04/05 更新日:2026/04/05
「大学の入学金に、一人暮らしの敷金礼金。パソコン代に引っ越し費用……。あれ、うちの口座の残高、もうこれだけ?」
4月。桜が咲き、子どもたちの新しい門出を祝うこの季節は、親にとって1年で最も家計から「現金」が飛んでいく、恐ろしい時期でもあります。
子どものためならと、コツコツ貯めてきた学資保険や定期預金をすべて切り崩し、なんとか春のビッグイベントを乗り越えた。通帳の残高は数万円ギリギリ。
でも、ふとカレンダーを見て血の気が引く。
「やばい、今月27日の住宅ローン引き落とし(12万円)分が、全く足りない……」
そんな時、あなたの頭にフッと悪魔の囁きがよぎっていませんか?
「今月だけ、カードのキャッシング枠(消費者金融)で現金を引き出して、住宅ローンの口座に入れておこう。夏のボーナスが出たらすぐに返すから、一回くらいなら大丈夫だよね」
もし今、あなたがATMに向かおうとしているなら、あるいはスマホでカードローンの申し込みボタンを押そうとしているなら。
お願いです。その手を、今すぐ止めてください。
今の時代、消費者金融の無人契約機に入らなくても、手元のスマホアプリを数回タップするだけで、誰にもバレずに数十万円が借りられてしまいます。まるで自分の口座から貯金を引き出しているような錯覚に陥る。これが第一の罠です。
今回は、子育て世代が陥りやすい「教育費貧乏」から始まる、自転車操業の恐ろしい罠と、そこから家族の未来を守るための正しい決断についてお話しします。
15%の金利という「見えない出血」の恐ろしさ

なぜ、住宅ローンをカードローン(キャッシング)で補填してはいけないのか。
FPとして家計診断をする際、私が一番に指摘するのは「金利の圧倒的な違い(異常さ)」です。
あなたが今、銀行に払っている住宅ローンの金利は、おそらく年利0.5%〜1.5%程度でしょう。
一方で、カードローンやキャッシングの金利はどれくらいかご存知ですか? 多くの場合、「年利15%〜18%」です。
なんと、住宅ローンの10倍以上のスピードで利息が膨れ上がる「金利のバケモノ」なんです。
例えば、今月のローン分として「15万円」をカードローンで借りたとします。
「来月になれば給料が入るし、すぐ返せる」と思いますよね。
でも、現実の家計はそんなに甘くありません。翌月も結局生活費がカツカツで、カード会社には「最低返済額の5,000円」だけを返すことになります。
この5,000円のうち、元本の返済に充てられるのはいくらだと思いますか?
年利15%の場合、最初の月の利息だけで約1,800円が引かれます。つまり、5,000円払っても借金は約3,200円しか減っていません。
「超低金利の借金(住宅ローン)」を払うために、「超高金利の借金(カードローン)」を新しく作る。これは家計の根本的なマイナスを解決するどころか、自ら見えない動脈を切って大出血を起こしているのと同じ、完全な「自殺行為」なのです。
「夏のボーナスで一括返済」という残酷な幻想
「おっしゃることはわかります。でも、夏のボーナスで一括返済するから、利息なんて数ヶ月分で済みますよ」
皆さん、最初は必ずそう言います。
でも、冷静に現実を見てください。春にカツカツになった家計が、夏までの数ヶ月間で急に黒字になる魔法なんてあるのでしょうか?
夏には夏の出費が待っています。
固定資産税の支払い、車の車検、自動車税。子どもが中高生なら、夏期講習の費用や部活の遠征費で十数万円がポンと消えます。さらに最近の物価高と猛暑による電気代の高騰が、ボディブローのように家計を圧迫します。
結局、楽しみにしていたボーナスはこれらの支払いで右から左へと消え、「カードローンの残金」はそのまま手付かずで残ります。
そして秋になり、また住宅ローンの引き落としが足りなくなる。
「しょうがない、また10万円借りよう……」
これが、いわゆる「自転車操業」の始まりです。
右の借金を返すために、左から借金をする。ペダルを漕ぎ続けるのをやめた瞬間、すべてが倒れてしまう地獄の日々の幕開けです。
一番の悲劇は「心がすり減って壊れていくこと」
私がこれまで数多くのご相談を受けてきて、一番辛いと感じるのは、お金が減ること以上に「心がすり減って壊れていくこと」です。
家計を握っている人は、責任感が強い人ほど「パートナーに心配をかけたくない」「怒られたくない」という思いから、自分ひとりでなんとかしようとします。
つまり、配偶者に内緒で借金を重ねてしまうのです。
- 家族で楽しく夕食を食べている時も、頭の中は「来月の返済日」のことでいっぱい。
- スマホが鳴るたびに「カード会社からの督促の電話かもしれない」とビクビクする。
- 「自分がもっとパートのシフトを増やせば」「自分の昼飯を抜けば」という無茶な自己犠牲。
こんな極限状態のストレスが続けば、人間は確実におかしくなります。
夜も眠れなくなり、些細なことでパートナーに当たるようになり、夫婦げんかが絶えなくなる。最悪の場合はうつ病などで仕事にすら行けなくなってしまいます。
「家族の笑顔を守るために買ったマイホーム」のせいで、家族が崩壊していく。これほど本末転倒で、悲しいことはありません。
最大の罠:自己破産すると「子どもの奨学金の保証人」になれない

「どうしても払えなくなったら、最悪、自己破産すれば借金はゼロになるんでしょ?」
もし心のどこかでそう思っているなら、今すぐその考えを捨ててください。
特に、教育費で苦しんでいる子育て世代にとって、カードローンに手を出して多重債務に陥り、自己破産することには、「親として最も辛いペナルティ」が待っています。
それは、お子さんが進学する際の奨学金(日本学生支援機構など)の「連帯保証人」になれなくなるということです。自己破産などで信用情報機関(ブラックリスト)に5年〜7年ほど事故情報が登録されていると、保証人の審査に確実に落ちます。
ここでネットで少し調べた方は、こう言うかもしれません。
「『機関保証制度』を使えば、親が保証人になれなくても奨学金は借りられるって書いてあったよ。なんだ、大丈夫じゃないか」
……現実はそんなに甘くありません。FPとして、その裏にある残酷な真実をお伝えします。
確かに機関保証を使えば奨学金は借りられます。しかし、お子さんが毎月受け取る奨学金から、借入額に応じて「約1,000円〜6,000円」の保証料が毎月天引きされ続けることになります。
もちろん「親に迷惑をかけたくない」と自発的にこの機関保証を選ぶ学生さんも多くいます。しかし、親が安易な借金を作ってブラックリストに載ったせいで、結果的に子どもへ「保証料」という実質的な金銭負担を強いるのは、親として非常に心苦しいはずです。あなたはお子さんに、「家を手放したくなくて借金を作ったから、お前が保証料を払ってくれ」と言えますか?
借金で家を守るのではなく「家を手放して家族を守る」
「カードローンに手を出してしまった」というのは、家計がすでに【末期症状】であるサインです。そこに必要なのは、気合や根性、その場しのぎの借金ではありません。
もちろん、まだ滞納前で傷が浅ければ、銀行に返済期間の延長(リスケジュール)を相談したり、弁護士を入れてカードローンだけを法的に整理(任意整理)して家を残す方法もあります。
しかし、すでに複数社から借り入れて「自転車操業」に陥っている家計では、それらは焼け石に水になることがほとんどです。だからこそ、「家を売却して、住宅ローンを綺麗に清算する」という根本治療に正面から向き合ってください。
「でも、今の家を売っても、ローンが全額返しきれない(オーバーローン)んです。銀行が売るのを許してくれないから、無理して払うしかなくて……」
そう絶望して、身動きが取れなくなっていませんか?
確かに、一般的な不動産屋に行けば「ローンが残るなら売れません。借金を全額返せるお金を用意してください」と冷たく門前払いされます。
しかし、まだ諦めないでください。
私たち一般社団法人任意売却公正協会のような専門機関が間に入る「任意売却(にんいばいきゃく)」という方法を使えば、ローンが返しきれない状態(オーバーローン)でも、合法的に家を売却することが可能です。
銀行側にとっても、滞納した家を裁判所の「競売(けいばい)」にかけると市場価格の5割〜7割という非常に安い値段でしか回収できません。しかし、私たちが間に入って通常の不動産市場で売る「任意売却」なら相場に近い価格で売れるため、銀行も売却に応じてくれるのです。
プライドを捨てた人から、救われます
任意売却をすれば家を手放すことになります。周囲の目が気になるかもしれません。
でも、冷静に天秤にかけてみてください。
年利15%のカードローンで借金まみれになり、毎日の督促に怯え、家族に嘘をつき続け、最終的に自己破産して「信用も家もすべて」を失う人生と。
早めに家を手放す決断をし、重圧から解放されて、教育費や日々の生活費に少し余裕がある状態で、新しい賃貸アパートで子どもと笑ってご飯を食べる人生。
どちらが、本当に家族のためになる選択でしょうか?
今、手元のスマホでカードローンの申し込みボタンを押そうとしているなら、その前に私たちに状況を聞かせてください。FPとしての知見と、任意売却の豊富な実績をもとに、一番安全な出口を一緒に探します。

大学時代に自営業を営んでいた実家が競売直前に売却することなってしまった経験から「住宅ローンについて相談する場所が必要!」と痛感し、非営利団体を設立し『住宅ローン無料相談所』を開設しています。
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