事例：配偶者の死別で判明した多額の借金と家計危機。一家の危機を救った「個人再生」の選択

投稿日：2023/10/03 更新日：2023/10/03

横浜市港北区のマンションにお住まいのSさんからのご相談事例を紹介します。

少し特殊なケースですが、奥様の急死という悲劇から始まる一連の負の連鎖が家計に深刻な影響を及ぼし、彼を追い詰めることになりました。

この記事では、その詳細とどうやって解決したのかについて解説します。

 

状況

奥様が交通事故で急死した翌月、Sさんは督促の連絡を受け、その中で奥様がこっそりと借金を抱えていたことに気づきました。

そして驚くことに、奥様がカードローンやキャッシングで約870万円もの借金を抱えており、そのうちSさん名義で700万円、奥様名義で170万円の借金が発覚したのです。

 

そんな驚愕の事実を知りながらも、Sさんは奥様に代わり借金を返済しようと決意しました。

ですが、給料が入っても全額が借金の返済に充てられてしまうことに気づき、住宅ローンが滞納してしまうほどの厳しい状況に直面してしまいました。

 

奥様の急死という悲しい状況に追い打ちをかけるように突然襲ってきた絶体絶命の状況に、Sさんはパニックになり、どうすれば家を手放さずに住み続けることができるのか、彼は答えを見つけることができませんでした。

Sさんが私へご相談されたのは、まさにそんな絶望的状況の真っ只中でした。

 

相談内容とアドバイス

Sさんのご要望は、借金返済で住宅ローンの返済が厳しいが、なんとか自宅を手放すことなく息子と住み続けたい、というものでした。

そんなSさんに私がしたアドバイスが、奥様名義の借金の相続放棄とSさん名義の借金700万円を個人再生することでした。

 

個人再生とは、借金の返済が厳しくなった人が、借金額を圧縮し、その少なくなった後の金額を原則3年間で分割返済するものです。

その個人再生を使って、Sさん名義の借金700万円を圧縮し、140万円（借金500万円〜1,500万円までは5分の1まで圧縮される）に削減することを提案しました。

 

Sさんは「それなら大変助かる」と承諾していただけました。

返済額を確定させるためには、資産総額を確かめる必要があります。

理由は、返済額よりも資産総額の方が高い場合は、「その金額を」36回払いで返済しないといけないからです。

 

Sさんの場合では、

• 預貯金はほとんどなかった
• 掛け捨ての保険にしか加入していなかった
• 退職金は至急予定額の8分の1が資産総額にカウントされるが、Sさんのその時点での退職金至急予定額は1,000万円でしたので、125万円が資産計上分となった
• 自宅の資産価値も資産計上分に加えられる（住宅ローン残債 ー 査定額 ＝ 資産額）が、Sさんの場合は住宅ローンの残債が1,000万円に対して査定額が1,400万円なので、400万円が資産計上分となった

合計してSさんの資産総額は525万円（125万円+400万円）となり、300万円よりも大きくなるので、525万円を36回払い（月々14.58万円）を返済することとなりました。

 

現状とその後

月々14.58万円の返済は決して楽な金額ではありませんでしたが、既に就職されている息子さんと協力して3年間支払続け、無事返済し終えることができました。

決して楽ではありませんでしたが、「これで妻と息子との思い出が詰まったマンションを守ることができた」と、無事支払い終えた際にお会いした時のSさんの誇らしい表情が印象的でした。

 

また、退職金も守ることができ、将来の安心を手に入れることが出来ました。

現在も、Sさんは息子さんと一緒にマンションに住み続け、新たな一歩を踏み出すために奮闘されています。

 

担当者より一言

この事例から学べることは、どんなに経済的に困難な状況にあっても、適切に対処すれば乗り越えることが可能になる救済策があるということです。

そして家を手放さず、住み続けることができる可能性が残されているということです。

Sさんの事例では、それは個人再生でした。

 

個人再生のような法的手続きは、借金問題に立ち向かうための有力な手段の一つです。

他にもあらゆる手段がありますが、その人の状況に合った法的手続きを専門家のアドバイスを通して探っていくのが、困難な状況を乗り越える上で重要です。

 

手前味噌ではありますが、私もそんな専門家の一人です。

どんな状況でも諦めず、あなたの家と未来を守るために解決策を一緒に模索しましょう。

もし今、住宅ローンの問題にお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

他の相談事例もありますので、気になる方はぜひチェックされてみてください。