コラム
うつ病で働けず住宅ローンが滞納?その時にとるべき対処法とは
投稿日:2023/11/16 更新日:2024/03/21
突如として訪れるうつ病。
まさに、誰にでも起こり得ることでしょう。
それが自分の身に降りかかってきたとき、働くことが難しくなり、それまで当たり前だった日常が一変します。
そんな中で、大きな悩みの一つとなるのが「住宅ローンの返済」です。
今までは何ともなかった住宅ローンが、うつ病による収入減で一気に重荷となってしまう…。
そんな恐怖を感じていませんか?
しかし、安心してください。
いつもと同じように返済できなくても、あなたを支えるためのさまざまな対策が存在します。
この記事では、うつ病によって働けなくなった際に陥りがちな「住宅ローン滞納」の問題について、わかりやすく詳しく解説していきます。
うつ病という難病と向き合いながら、経済的な不安に悩まされる日々…。
そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、具体的な対策と解決策を一緒に見つけていきましょう。
うつ病と住宅ローン滞納の現状
さて、まずはうつ病と住宅ローン滞納の“現状”について、一緒に考えてみましょう。
うつ病になると、働けなくなることがありますよね。
その結果、当然ながら収入も減ってしまいます。
そうなると、これまで毎月コツコツと返済していた住宅ローンが滞納してしまう…これが現実の問題なのです。
でも、ここで一つ大切なことを覚えておいてください。
それは、「滞納したからといってすぐに家を取られるわけではない」ということ。
もちろん、放置してしまうと大変なことになりますが、早めに適切な対策を講じれば解決の道は必ずあります。
この章では、うつ病で働けなくなった時に具体的に何が起こるのか、そしてそれがどのような影響を及ぼすのかを深堀りしていきます。
あなたが抱えている不安や疑問を解消するために、一緒に学んでいきましょう。
うつ病で働けなくなった場合の住宅ローン支払い
まず考えてみたいのは、うつ病で働けなくなった場合、どうなってしまうのかということです。
うつ病になると、体や心に重い疲れを感じたり、何事にも興味を失ったりするため、仕事を続けられなくなることもあります。
その結果、収入が減少し、これまできちんと支払っていた住宅ローンが急に重荷に感じられるようになるかもしれません。
でも、ここで絶望する必要はありません。
もしもあなたがうつ病で働けなくなった場合でも、対策は存在します。
例えば、労災保険や健康保険、住宅ローンの返済支援保険など、さまざまな制度を利用することが可能です。
また、金融機関と相談して返済計画を見直すことも一つの方法です。
このように、うつ病になったからと言ってすぐに住宅ローンが滞納するわけではありません。
何があっても頭を抱える前に、まずは何ができるのか、どんな支援があるのかを知ることが大切です。
住宅ローンが滞納になるとどうなるかの概要
次に、あなたが心配している「住宅ローンが滞納になるとどうなるの?」という疑問について明らかにしていきましょう。
住宅ローンの返済が難しくなったとき、多くの人が抱くこの疑問は、非常に大切なポイントです。
まず基本的なこととして、住宅ローンを滞納すると利息が加算され、返済総額が増えるという事態が起きます。
さらに、滞納が続くと金融機関から催告状が送られてきたり、最終的には自宅が差し押さえられてしまう可能性も出てきます。
でも、恐怖に感じることはありません。
こうした事態になる前に、早期に対策を講じることが大切です。
たとえば、金融機関に相談して返済計画を見直したり、任意売却や債務整理という選択肢もあります。
ここで肝心なのは、「何もしない」ことが一番危険だという事実です。
うつ病によって住宅ローンの滞納が始まったら、すぐに対策を考え、動き出すことが大切です。
収入減に対する対策
うつ病で働けなくなり収入が減ったときの対策を考えましょう。
働けなくなることにより収入が減り、住宅ローンの返済が困難になる状況は精神的にかなり辛いものです。
しかし、労災保険や健康保険、住宅ローン返済支援保険、就業不能保険や所得補償保険など幾つもの対策が存在します。
本章では、これらの保険や制度を活用し住宅ローンの返済を続けるための対策を詳しく解説します。
一緒に対策を学び、不安を解消していきましょう。
労災保険、健康保険を活用する
うつ病になって働けなくなった時、初めて考えるべきは労災保険と健康保険の活用です。
そのような時、大切なのは自分がどの保険を受けられるのか、それを知ることです。
労災保険は、仕事が原因でうつ病になった場合に使える可能性があります。
ただ、これを受けるためには「仕事が原因だった」という証明が必要になります。
例えば、長時間労働やパワハラなど、仕事がストレスの大きな原因であったと認められれば、治療費や給与の8割を補う休業補償、さらには傷害補償も受けられる可能性があります。
一方、健康保険の「傷病手当金」も大切な手段です。
これは、病気や怪我で働けなくなった時に最長1年6カ月間、給与の一部が支払われる制度です。
うつ病で働けないことも、もちろんこの制度の対象です。
でも、一つだけ注意点があります。
自営業者やフリーランスの方が加入する国民健康保険では、この傷病手当金の制度はありません。
だから、自分がどの保険に加入しているのか、しっかり確認しておきましょう。
住宅ローン返済支援保険の活用方法
住宅ローン返済支援保険という制度は、加入者が病気やケガで30日を越えて働けなくなった場合に、最大3年間の住宅ローン返済を保険金で補うものです。
加入は任意で、金融機関を通じて手続きを行うものです。
加入しているかどうかは、住宅ローンを契約した際の書類や月々の返済明細を確認しましょう。
「保険料」や「支援保険」の記載があれば、加入している可能性が高いです。
仮にうつ病で働けなくなった場合でも、この保険によりローン返済を続けることが可能となります。
ただし、保険の適用は自身の状態が保険の規定要件を満たしているかどうかによるため、保険会社に確認が必要です。
住宅ローン返済支援保険は、うつ病で働けなくなった場合にも対策として活用できる手段です。
分からないことがあれば、保険会社に相談することも忘れないでください。
就業不能保険・所得補償保険の概要とその活用方法
あなたは”就業不能保険”や”所得補償保険”という言葉を聞いたことがありますか?
これらは、病気やケガで働けなくなった時に、あなたの生活を支える力になる保険です。
まずはじめに、就業不能保険ですが、この保険は名前の通り、病気やケガで働けなくなった時に保険金が支払われる制度です。
つまり、うつ病で働けなくなったあなたを、金銭的にしっかりとサポートしてくれるものです。
次に、所得補償保険は、病気などで所得が途絶えてしまった時に保険金が支払われる制度です。
これもまた、あなたがうつ病で働けなくなった場合に役立つ保険と言えます。
ただし、これらの保険を受けるためには事前に加入している必要があります。
また、保険の適用範囲や条件は各保険会社により異なるため、自分が加入している保険がどのような内容なのかを確認しましょう。
住宅ローンが滞納した場合の対策
それでは次に、もしも”住宅ローンが滞納してしまったら…”という時の対策について一緒に考えてみましょう。
心配なことや不安なことがたくさんあるかと思いますが、どんな状況でも必ず解決策はあります。
一緒にその方法を見つけていきましょう。
金融機関への相談とリスケジュールの手続き方法
まずは、住宅ローンが滞納した場合の一番最初のステップとして、金融機関へ相談することが大切です。
意外と思われるかもしれませんが、住宅ローンを取り扱う金融機関は、返済に関する相談に訪れた債務者を邪険にすることは少ないです。
金融機関に相談し、リスケジュール(返済計画の再調整)の手続きを進めることで、返済のペースを自分の生活水準に合わせることが可能になります。
これにより、返済が滞るリスクを減らし、生活を安定させることができる可能性が上がります。
でも、「相談ってどうやるの?」と思うかもしれませんよね。
まずは、あなたが住宅ローンを借りている金融機関の窓口に連絡をしてみてください。
そして、現在の自分の状況を説明し、相談したいと伝えましょう。
一緒に最適な解決策を見つけてくれるはずです。
任意売却の手続き方法とそのメリット
金融機関に相談しても住宅ローン返済の問題が解決しない場合は、”任意売却” という方法も考えてみたほうが良いと言えるでしょう。
任意売却って何かと聞く方も多いのではないでしょうか。
これは、自分の住宅を自分で売却する方法のことを指します。
「任意」とは「自由な意思」を意味しますから、売却するかどうかはあなた次第。
売却したお金でローンを一部または全部返済できるというわけです。
では、どうやって手続きするのでしょうか。
実は、任意売却を専門とした不動産売却のプロがいて、そのプロを通じて行うことが一般的です。
一般的な不動産会社でも任意売却を受け付けている場合がありますが、あまり経験や知識が無い場合があるので注意しましょう。
できれば、「任意売却を専門としている」と謳っているプロを見つけ、ホームページ等で経験や実績等を確認して信頼できるかどうか判断してから依頼するのが良いでしょう。
依頼すると、価格査定や買い手の探し方、契約手続きまでサポートしてくれます。
ここで、任意売却のメリットについてもお話ししましょう。
一番のメリットは、市場価格に近い値段で売れるので、住宅ローンを滞納し続けて競売になるよりも高値で売れる可能性があります。
なぜなら、通常の不動産取引と同様の方法で売却できるからです。
ただし、任意売却も万能ではありません。
短期間で売却しなければならない状況や、売却価格が住宅ローン残債を下回る場合もあります。
また、買い手が見つからない場合もありますので、注意が必要です。
住み続けたい方向けのリースバックの手続き方法とそのメリット
住宅ローンの滞納に悩む方の中には、「どうにかして今の家に住み続けたい」とお考えの方も多いことでしょう。
そんな時に役立つ手段の一つが「リースバック」という方法です。
リースバック、これも初めて聞く方もいるかもしれません。
これは自分の家を売却しつつ、賃貸としてその家に住み続けることができる制度のことを指します。
つまり、自分の家を売ってローンを返済しながら、そのままその家に住み続けることができるという仕組みです。
では、どうやってリースバックを行うのでしょうか。
まずやるべきことは、不動産会社に相談することです。
リースバックを専門に扱う会社も多いですから、安心してください。
不動産会社はあなたの家の価格を査定し、それを基に売却と賃貸契約を進めてくれます。
リースバックの一番のメリットは何といっても「今住んでいる家に住み続けられる」という点ですね。
売却するのとは違い、引越し費用が掛からず、近所付き合いもそのまま続けられます。
また、固定資産税などの費用が買主負担となるので、ローンの返済に困っていたあなたの負担も大きく軽減できます。
ただし、リースバックにもデメリットは存在します。
自分の家を売却するため、その家の所有権は失われます。
また、賃貸として住むため、家賃を払う必要があります。
もし売却価格を高くすると、売却後の家賃も比例して高くなるので、注意点が必要です。
リースバックを専門としているプロはその辺りの悩みも当然理解していますから、リースバックを行うならその辺りをしっかり考慮に入れた上で進めてもらえるはずです。
住宅ローンの滞納で困り、今の家に住み続けたいというのであれば、一度リースバックについて考えてみてはいかがでしょうか。
債務整理の手続き方法とそのメリット
住宅ローン滞納に悩む方ができる他の手段に、「債務整理」が考えられます。
債務整理とは、一言で言うと、自分の借金を整理することです。
これにより、返済額を減らしたり、返済期間を延ばしたりすることができます。
では、具体的にどのように進めるのでしょうか。
まずは専門の法律家に相談することから始めます。
弁護士や司法書士などが対応してくれますよ。
そして、あなたの状況や希望を伝え、一緒に最善の方法を選びます。
その後、法律家が金融機関と交渉をしてくれて、返済計画を立ててくれます。
では、債務整理のメリットは何でしょう。
最大のメリットは、自分の生活水準を維持しながら、借金を返済できることです。
また、専門家がサポートしてくれるので、安心して任せることができます。
ただし、債務整理にはデメリットもあります。
例えば、信用情報に債務整理の記録が残り、一定期間、新たな借入れができなくなることがあります。
それでも、住宅ローンの返済が困難で、生活に困っているなら、一度債務整理について考えてみてはいかがでしょうか。
必ずしも全ての借金問題が解決するわけではありませんが、あなたの生活を少しでも楽にするための手段の一つかもしれませんね。
うつ病で住宅ローンが困難になった場合の注意点
「うつ病になってしまい、働くことが難しくなった結果、住宅ローンの返済が滞るという状況は、本当に厳しいもので、精神的にかなり追い込まれてしまう人も多いです。
しかし、そんな時だからこそ大切なことは、自分自身の状態を正確に把握し、適切な対処をすることです。
切羽詰まった状況だからこそ、慌てず、冷静に行動することが求められます。
この章では、うつ病で働けずに住宅ローンが困難になった場合の注意点をいくつかご紹介します。
どのように自分自身の状態を理解し、どのように問題に対処すれば良いのか、具体的なアクションプランも含めてお伝えします。
無理をせず、自身の病状と現状を正確に把握することの重要性
うつ病によって働くことが難しくなり、住宅ローンの返済が滞ってしまったとき、まず大切なのは、自分自身の病状と現状を正確に把握し、無理をせず対処することです。
うつ病の場合、無理に働こうとすると、体調を更に悪化させる可能性があります。
一方で、収入がなくなれば、住宅ローンの返済はもちろん、日々の生活費捻出にも困りますよね。
しかし、ここで挙げられた「労災保険」や「健康保険」、「住宅ローン返済支援保険」、「就業不能保険・所得補償保険」などの制度を活用すれば、収入を補う一助となるかもしれません。
また、すでに住宅ローンが滞納してしまった場合でも、諦めずに対策をとりましょう。
金融機関に相談したり、リスケジュールや任意売却、リースバックなどの手続きを検討したりすることで、何らかの解決策が見つかるかもしれません。
そして、自身の体調や心の状態を正直に見つめてみましょう。
無理をせず、自分のペースで進んでいきましょう。
あなた自身が一番大切で、そのために最善の道を選ぶことが、最終的な解決への一歩となります。
滞納状態を放置しないことの重要性
うつ病になり、住宅ローンの返済が滞るという状況は、本当に辛いものです。
心と体が疲れているとき、すぐには解決策が見えないかもしれません。
しかし、滞納状態をそのまま放置してしまうと、思わぬ厄介な事態を招く可能性があるのです。
放置し続けると、最悪の場合、自宅が差し押さえられ、競売にかけられてしまうことがあります。
競売になると、自宅は市場価格の6~7割程度で取引され、さらに約100万円ほどの費用が発生します。
そして、その費用はあなたの負担となります。
引っ越し時期も自分で決められず、物件情報が裁判所やネット上で公開されてしまう可能性もあります。
これは少し怖い話に聞こえるかもしれませんが、知っておくことで避けることができます。
このような事態を避けるためにも、滞納が発生したら早めに対策をとることが大切です。
金融機関への相談やリスケジュールの手続き、任意売却やリースバックなど、さまざまな対策があります。
追い込まれた状況でも、自分ひとりで抱え込まず、専門家と一緒に解決策を見つけていきましょう。
あなた自身の健康と生活の安定が最優先です。
無理をせず、自分に優しく、そして少しずつ前に進んでいきましょう。
それが、あなたのうつ病と住宅ローン滞納問題を乗り越える一番の近道となることでしょう。
まとめ
うつ病という病気により働くことができず、生活が困難になり、住宅ローンの返済まで滞るという厳しい状況。
そんな中でも、まず大事なのは自分自身の病状と現状を正確に把握し、無理をせず対処することです。
収入が減るという問題に直面した時には、労災保険や健康保険、住宅ローン返済支援保険、就業不能保険・所得補償保険などの制度を活用すること。
そして、住宅ローンの滞納が起きたら、金融機関への相談やリスケジュールの手続き、任意売却やリースバックといった対策を早めにとることが大切です。
また、任意売却を考える際には、慎重に判断をし、自身の病状や生活状況を考慮することも忘れずに。
そして何よりも、滞納状態を放置せず、早めに適切な措置をとり、自宅が差し押さえられてしまうような事態を避けることが重要です。
ここでお伝えした内容が、うつ病で働けなくなり、住宅ローンの返済が困難になってしまったあなたの一助となれば幸いです。
一人で悩む必要はありません。
専門家や周りの支援を活用しながら、自分に優しく、自分らしい生活を取り戻す一歩を踏み出しましょう。
大学時代に自営業を営んでいた実家が競売直前に売却することなってしまった経験から「住宅ローンについて相談する場所が必要!」と痛感し、非営利団体を設立し『住宅ローン無料相談所』を開設しています。
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