任意売却
任意売却の悪質業者に要注意!手口と見分け方、安全な業者の選び方を解説
投稿日:2024/07/25 更新日:2024/07/25
「住宅ローンの返済が難しくなり、任意売却を検討し始めたけれど、悪質な業者に騙されてしまうのではないかと不安…」
そんな風に感じていませんか?
任意売却は、あなたの大切な家を守るための有効な手段となりえます。
しかし、その一方で、手続きの複雑さや情報不足につけ込み、不当な利益を得ようとする悪質業者が存在するのも事実です。
この記事では、悪質業者の特徴や手口、そして被害に遭わないための具体的な対策方法をわかりやすく解説していきます。
安心して任意売却を進め、新たなスタートを切るためにも、ぜひ最後までお読みください。
任意売却とは?
住宅ローンを返済することが困難になった時、あなたならどうしますか?
家を手放さなければいけない状況になったとしても、「競売」という選択肢だけが全てではありません。
実は、「任意売却」という方法を選ぶことで、より多くのメリットを享受できる可能性があるのです。
この章では、任意売却の基本的な仕組みやメリット・デメリット、そして競売との違いについて詳しく解説していきます。
住宅ローンが払えなくなった時に取る選択肢の一つ
住宅ローンが払えなくなった時、多くの人は「このままだと競売になってしまう…」と不安を抱くでしょう。
しかし、すぐに競売になってしまうと諦めるのはまだ早いです。
住宅ローン返済に行き詰まった時にまず検討したいのが「任意売却」という方法です。
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合でも、金融機関の同意を得た上で、市場価格に近い価格で不動産を売却できる方法です。
競売とは異なり、債務者自身の意思で売却活動を進めることができます。
そのため、市場価格に近い価格で売却できる可能性が高く、結果として残債務を減らせる可能性があります。
また、売却時期や売却先をある程度コントロールできるため、近隣に知られずに売却できる可能性も高くなります。
もちろん、任意売却には金融機関との交渉や手続きが必要となるため、専門家のサポートが必要になるケースがほとんどです。
しかし、任意売却という選択肢を知ることで、精神的な負担を軽減し、より良い条件で住宅ローン問題を解決できる可能性が広がります。
住宅ローン返済に行き詰まった際は、諦めずに、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。
任意売却で損失を抑えられる理由
任意売却は、競売と比べて、なぜ損失を抑えられるのでしょうか?
それは、任意売却では、市場価格に近い価格で売却できる可能性が高いからです。
競売では、債権回収を優先するため、市場価格よりも低い価格で売却されることが一般的です。
一方、任意売却では、不動産会社が仲介に入り、一般の不動産売買と同様に、購入希望者を募ります。
そのため、市場価格に近い価格での売却が期待できます。
また、任意売却では、売却活動に債務者自身の意向を反映させることができます。
売却時期や条件などを調整することで、より有利な条件で売却できる可能性が高まります。
任意売却で損をする?知っておきたい注意点と対策
任意売却は、住宅ローン問題を解決する有効な手段となりえますが、一方で、思わぬトラブルに巻き込まれ、損をしてしまうケースも少なくありません。
「任意売却は必ず成功する」「必ず市場価格で売却できる」という甘い言葉に乗せられて、悪質業者に騙されてしまうケースも後を絶ちません。
大切な家を守るため、そして、あなたの未来を守るためには、任意売却に関する正しい知識を身につけることが重要です。
この章では、任意売却で起こりうるトラブル事例や、悪質業者の手口と見分け方、そして、トラブルを防ぐための具体的な対策方法を解説していきます。
これから任意売却を検討される方はもちろん、現在すでに任意売却を進めているという方も、ぜひ参考にしてみてください。
任意売却でよくあるトラブル事例
任意売却は複雑な手続きを伴うため、知識不足や準備不足が原因で、不利益を被ってしまうケースもあります。
ここでは、任意売却でよくあるトラブル事例を3つのパターンに分けて解説します。
事例①悪質業者による甘い言葉の罠
◯「高額な引越し費用を負担します!」
悪質業者は「当社に依頼すれば確実に高額な引越し費用を確保できます」といった甘い言葉で勧誘してきます。
確かに、任意売却では売却代金の一部から引越し費用を捻出できることがありますが、債権者の同意が必要であり、必ずしも許可されるとは限りません。
良心的な不動産会社であれば、依頼時点で引越し費用を確約することはありません。
相場よりも高額な引越し費用を提示してくる業者は、専任媒介契約を急がせるために嘘をついている可能性が高いと言えるでしょう。
高額な引越し費用を鵜呑みにして媒介契約を結ばせ、その後放置され、結局競売になってしまったというケースも少なくありません。
引越し費用は、認められる場合でも30万円程度が一般的です。
◯「相談だけなら3万円プレゼント!」
任意売却の案内チラシに、高額な金券や現金引換券が同封されていることがあります。
これは、相談者の不安をあおり、少しでも多く契約を獲得しようとする悪質業者の常套手段です。
中には、「契約すれば現金を渡す」といった違法行為を行う業者も存在します。
このような業者は、多くの案件を安易に請け負い、本当に困っている人のことを考えていません。
任意売却の専門知識を持った良心的な業者は、お金で顧客を釣るようなことはせず、それぞれの状況に合わせて、丁寧で親身な対応を心がけています。
事例②不正な金銭要求
◯「仲介手数料以外に費用が必要です」
宅地建物取引業法では、任意売却において、所有者が支払うべき費用は仲介手数料のみと定められています。
仲介手数料も、売却が成立した際に売却代金から支払うため、依頼時に支払う費用は一切発生しません。
しかし、悪質業者は、様々な名目で費用を請求してきます。
「コンサルタント料」「相談料」「任意売却促進負担金」「顧問料」「着手金」など、少しでも不審な費用を請求する業者は、悪質業者の可能性が非常に高いと言えるでしょう。
悪質業者の手口と見分け方
任意売却は、悪質業者が暗躍しやすい分野でもあります。
知識不足の依頼者につけ込み、不当な利益を得ようとする悪質業者は少なからず存在します。
大切な財産である家を適切に売却させるためにも、悪質業者の手口を理解し、見分ける目を養うことが重要です。
ここでは、悪質業者の特徴的な行動パターンを3つ紹介します。
1. 相見積もりを嫌がる
悪質業者は、査定額を不当に高くまたは低く設定している場合があるため、他社との比較を嫌います。
「他社と比較されると困る」ということは、裏を返せば、何かやましいことがある可能性を示唆しています。
不動産の査定額は、需要や相場を考慮して算出されるため、極端にかけ離れた金額が提示されることは稀です。
宅地建物取引業法では、不動産業者は査定額とともに、その根拠を説明する義務を負っています。
相見積もりを拒否したり、根拠を示さずに曖昧な説明でごまかしたりする業者は、悪質業者の可能性が高いと言えるでしょう。
2. 即断即決を迫ってくる
「今だけ」「お客様だけ」「すぐに決断しないと同じ条件では契約できない」など、強引な言葉で契約を急かすのも、悪質業者の常套手段です。
悪質業者は、冷静な判断力を奪い、不利な契約を結ばせるために、このようなプレッシャーをかけてきます。
契約を急がせる理由として、「いますぐ契約すればこの価格で売却できる」「早くしないと競売になってしまう」などと言われるかもしれません。
しかし、任意売却は本来、時間をかけて慎重に進めるべきものです。
焦らずに、複数の専門家の意見を聞き、納得いくまで検討することが大切です。
3. 専属専任媒介契約を勧めてくる
専属専任媒介契約とは、1社の不動産会社にのみ売却活動を依頼する契約です。
この契約を結ぶと、他の不動産会社に依頼することができなくなります。
専属専任媒介契約は、不動産会社にとっては早期売却の可能性が高まり、効率的に業務を進められるというメリットがあります。
しかし、売主にとっては、不動産会社の対応に問題があった場合でも、簡単に契約を解除することができないというデメリットがあります。
悪質業者は、売主を囲い込み、不利な条件で売却を進めるために、専属専任媒介契約を結ばせようとすることがあります。
任意売却においては、複数の不動産会社に相談し、比較検討することが重要です。
専属専任媒介契約を急いで結ぶ必要はありません。
これらのポイントを踏まえ、少しでも「おかしい」と感じたら、その業者との契約は避けるようにしましょう。
信頼できる専門家を見つけることが、任意売却を成功させる最大の鍵となります。
安心できる業者の選び方
任意売却を成功させるためには、あなたの状況を理解し、親身になってサポートしてくれる、信頼できるパートナー選びが何よりも重要です。
しかし、一口に「任意売却の専門家」と言っても、その実力は様々です。
中には、残念ながら、利益優先で親身になってくれない業者や、専門知識や経験が不足している業者も存在します。
「悪質な業者に騙されてしまうのではないか…」
「誰に相談すれば良いのか分からない…」
そんな不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
この章では、数ある業者の中から、安心して任せられるパートナーを見つけるためのポイントを5つ解説します。
これらのポイントを参考に、あなたにとって最適なパートナーを見つけ、安心して任意売却を進めていきましょう。
任意売却の実績が豊富
任意売却を依頼する上で、実績が豊富であるかは、非常に重要な判断基準の一つです。
なぜなら、任意売却は、通常の不動産売買と比べて複雑な手続きを伴い、専門的な知識やノウハウが必要とされるからです。
実績豊富な業者は、これまで数多くの案件に携わってきた経験と実績を持つため、
・金融機関との交渉を有利に進めるノウハウ
・市場動向を踏まえた適切な価格設定
・スムーズな売却活動
などを期待することができます。
具体的には、以下の様な点を確認すると良いでしょう。
・これまでの任意売却の取扱件数:具体的な数字を提示してくれる業者であれば、より信頼度が高まります。
・地域密着型の業者か:地域密着型の業者の場合、その地域の不動産相場や金融機関とのつながりを持っているため、スムーズな売却活動が期待できます。
・お客様の声を確認する:ホームページなどに掲載されているお客様の声を参考に、実際に利用した方の意見を参考にしましょう。
ただし、実績が多いことだけが全てではありません。
実績だけに惑わされず、他の項目も参考にしながら、総合的に判断することが大切です。
弁護士・司法書士と連携している
任意売却は、不動産売買だけでなく、債務処理や法律問題も絡んでくるため、専門的な知識が必要となる場面が多くあります。
そのため、任意売却を専門とする不動産会社を選ぶ際には、弁護士や司法書士と連携しているかどうかが、重要なポイントとなります。
連携体制が整っている業者であれば、
・複雑な法律問題が発生した場合でも、迅速かつ適切な対応が可能
・債権者との交渉をスムーズに進めることができる
・売主の権利を守り、不利な条件で契約してしまうリスクを減らせる
など、様々なメリットがあります。
例えば、
・抵当権や差押えなどの権利関係で問題がある場合
・債務整理や自己破産も視野に入れている場合
・売却後の残債務処理について相談したい場合
などは、弁護士や司法書士の専門知識が必要となるケースもあるでしょう。
不動産会社が、いざという時に、これらの専門家と連携し、迅速にサポートしてくれる体制を整えているかどうかを確認しておくことが大切です。
具体的には、以下の様な点を確認してみましょう。
・提携している弁護士や司法書士がいるか
・無料法律相談などのサービスを提供しているか
・必要に応じて、弁護士や司法書士を紹介してくれる体制があるか
任意売却は、人生における大きな転換期となることも少なくありません。
安心して手続きを進め、新たなスタートを切るためにも、万が一の事態にも対応できるよう、弁護士や司法書士との連携が強固な業者を選びましょう。
相談者の立場に立った提案をしてくれる
任意売却は、住宅ローン返済に行き詰まった人が選択する、人生の再出発をかけた大切な決断です。
そのため、業者選びにおいては、あなたの状況や気持ちを理解し、親身になって寄り添ってくれるかどうかが非常に重要になります。
相談者の立場に立った提案をしてくれる業者とは、
・あなたの話をじっくりと聞き、不安や疑問を解消してくれる
・あなたの状況や希望に合わせた最適なプランを提案してくれる
・メリットだけでなく、デメリットもしっかりと説明してくれる
・無理な勧誘や強引な契約を迫ったりしない
このような特徴があります。
例えば、
・「とにかく早く家を売却したい」
・「できるだけ高く売却して、残債を減らしたい」
・「近隣に知られずに、ひっそりと売却したい」
など、相談者によって状況や希望は様々です。
親身になってくれる業者であれば、あなたの状況や希望を丁寧にヒアリングし、
・売却にかかる期間
・予想される売却価格
・売却活動の方法
・費用に関する詳細
・その他、任意売却に関する注意点
などを、分かりやすく説明してくれるでしょう。
反対に、
・あなたの話を聞かずに、一方的に自社のサービスを説明する
・あなたの状況や希望を考慮せずに、画一的なプランを提案する
・メリットばかりを強調し、デメリットの説明を曖昧にする
・強引に契約を迫ってくる
このような業者は、相談者の立場に立っているとは言えません。
任意売却は、あなたの人生にとって大きな決断です。
後悔のない選択をするためにも、親身になって寄り添い、親身になってくれる業者を選びましょう。
親切丁寧な対応
任意売却は、人生で何度も経験することではありません。
そのため、多くの人は手続きの流れや専門用語が分からず、不安な気持ちを抱えているものです。
そんな時、頼りになるのは、 親切丁寧に対応してくれる業者 です。
例えば、
・分かりやすい言葉で説明してくれる
・質問しやすく、どんな些細な疑問にも丁寧に答えてくれる
・連絡がスムーズで、レスポンスが早い
・親身になって相談に乗ってくれる
・高圧的な態度をとったり、無理強いしたりしない
このような対応をしてくれる業者であれば、安心して手続きを任せることができるでしょう。
反対に、
・専門用語を多用して、分かりにくい説明をする
・質問をしても、面倒くさそうに答える
・連絡が遅く、なかなか対応してくれない
・一方的に話を進めようとする
・強引な勧誘や契約を迫ってくる
このような対応をされた場合は、注意が必要です。
任意売却は、精神的にも負担の大きいものです。
あなたの不安な気持ちに寄り添い、親身になってサポートしてくれる、信頼できる業者を選びましょう。
初めての相談の際に、業者の対応をよく観察し、
・話しやすい雰囲気かどうか
・質問しやすいかどうか
・誠実な対応だと感じるか
などを意識すると良いでしょう。
小さなことでも疑問に思ったことは、遠慮なく質問し、納得するまで説明を求めることが大切です。
情報公開を適切に行っている
任意売却は、複雑な手続きを伴い、専門性の高い知識が求められます。
そのため、業者選びにおいては、透明性が高く、情報公開を適切に行っているかどうかが重要な判断基準となります。
具体的には、以下の様な情報について、明確かつ分かりやすく開示している業者を選ぶようにしましょう。
【会社の概要】
・会社の設立年月日、資本金、従業員数、免許番号など、基本的な情報を公開しているか。
・会社の経営理念や事業内容、顧客対応に対する考え方などを明確に示しているか。
【サービス内容】
・どのようなサービスを提供しているのか、具体的な流れや費用などを分かりやすく説明しているか。
・無料相談や無料査定など、利用できるサービスの内容を明確にしているか。
【費用】
・仲介手数料の金額や支払い時期、その他費用が発生する場合はその内訳を明確にしているか。
・見積もりは無料で行っているか、見積もり後の追加費用が発生する可能性がある場合は、その旨を事前に伝えているか。
【実績】
・年間の任意売却の取扱件数や、成功事例などを具体的に示しているか。
・個人情報保護に関する取り組みや、顧客満足度向上のための取り組みなどを公開しているか。
【取引事例】
・過去の任意売却事例を、価格や期間、物件情報などを含めて具体的に紹介しているか。
・個人情報保護に配慮した上で、可能な範囲で詳細な情報を公開しているか。
情報公開を適切に行っている業者は、顧客との信頼関係を築き、誠実な対応を心がけていると言えるでしょう。
反対に、
・会社の情報がほとんど公開されていない
・サービス内容や費用体系が不明瞭
・実績を誇張したり、曖昧な表現で誤魔化そうとしたりする
このような業者は、避けた方が賢明です。
ホームページや資料などで情報収集するだけでなく、直接問い合わせてみて、
・質問に対して、誠実に答えてくれるか
・不明瞭な点や疑問点に対して、納得のいく説明をしてくれるか
など、対応を見ることも重要です。
信頼できる業者を見つけるためには、情報収集を怠らず、積極的に行動することが大切です。
まとめ:任意売却は、信頼できるパートナー選びが重要
住宅ローンの返済が困難になり、任意売却を検討する際には、精神的な負担も大きいものです。
しかし、任意売却は、あなたの人生をやり直すための有効な手段となりえます。
ただし、任意売却は複雑な手続きを伴うため、専門家である不動産会社のサポートが不可欠です。
そして、任意売却を成功させるためには、あなたの状況や気持ちに寄り添い、親身になってサポートしてくれる、信頼できる業者を選ぶことが何よりも重要になります。
悪質な業者に騙され、不利益を被ることのないよう、
・複数の業者に相談し、比較検討する
・業者の実績や評判、対応をしっかりと見極める
・契約内容を理解し、納得した上で契約する
・疑問点や不安な点は、遠慮なく質問する
これらのポイントを意識して、あなたにとって最適なパートナーを見つけ、安心して任意売却を進めていきましょう。
この記事が、あなたの任意売却を成功させるための一助となれば幸いです。
※ただし、この記事はあくまでも一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスを提供するものではありません。 任意売却に関する具体的な問題については、専門家にご相談ください。
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