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任意売却で失敗しない業者の選び方
投稿日:2019/12/24 更新日:2023/08/02
任意売却を真剣に検討している方にとって一体どの業者に相談すればいいのか?
どこに依頼するのがいいのか?という点は非常に悩むべきポイントです。
ネットで検索をすると実績がある会社が沢山表示されます。
ホームページには過去の実績やお客様の声、任意売却についての詳しい情報が記載され、どこの会社も「自分のところに任意売却を依頼すれば安心ですよ!」というような表現をしているので、一体どこに相談すればいいのか?と悩んでしまう方も少なくないと思います。
ただ、任意売却業者も同じように見えて、任意売却の成功確率はもちろん違いますし、サポート内容もバラバラです。中には、相談者をまるで「お金」としか見ていないような、信じられない事をやっている業者もいます。
では、一体どうすれば信頼できる業者を選ぶことができるのでしょうか?
このページでは、今まで任意売却と不動産販売に20年以上携わり、400件以上の任意売却に成功してきた経験から、任意売却で失敗しない業者の選び方についてお伝えしていきます。
多くの人が間違える「やってはいけない業者の選び方」
まず、業者の選び方のポイントをお伝えする前に、業者選びでやってはいけない間違いについてお伝えします。
これは任意売却をしようとする多くの人が犯す間違いで、この間違いのせいで任意売却に失敗して、実家を競売で安く売られてしまうリスクが高まったり、たとえ任意売却が成立しても、その後の残債支払いに苦しむ事になったり、自己破産をせざるをえない事もありえるので、十分に注意して欲しいポイントです。
その間違いが、任意売却業者の相談実績や件数を信用して依頼をしてしまうという間違いです。
ホームページで「相談実績が何千件もあります」なんて表示を見ると、みんなが選んでいるなら間違いないんじゃないかと安心して選択する方もおられると思うのですが、rこの選び方は大きな間違いです。
なぜなら、相談実績というのは、あくまで相談を受けた件数であり、そもそも任意売却が成功した件数ではないからです。
しかも大手業者によっては、相談を受けた案件を他社に売却して利益を出している場合もありますので、実際の業務を担当する会社に本当に実力があるかどうかは全く分からないケースもあります。
そもそも、住宅ローンに悩んでいる方が自分の現状や悩みを打ち明けるのには本当に大きな勇気がいるものです。
そんな方たちが意を決した相談を、「案件」としてビジネスライクに業者に横流し、自分たちは何もせず、紹介料として利益を得ている業者のやり方には違和感しかありません。
なので、任意売却を依頼する際には、大手ならではの安心感や会社の実績も大切かもしれませんが、それよりも大切なポイントがあります。それは、
①担当者の実績は十分にあるのか?
「担当者の実績が十分にあるのか?」というポイントを意識して下さい。これは非常に重要なポイントになります。実際、任意売却は誰でも簡単に成功させる事ができるというものではないからです。
任意売却を成功させるためには高い交渉力が必要
任意売却を成功させるためには、まず担当者自身が高い「交渉力」を身につけていることが必要不可欠です。
任意売却は勝手に行うことはできず、債権者の同意が必要となりますし、物件の売却価格もこちらで決めることはできず、債権者が「この金額で売却してください」と値決めをすることになります。
しかし、大抵の場合でこの金額は市場の相場よりも高く設定されることがほとんどです。
債権者としては少しでも多くのお金を回収したいので、できるだけ高い金額を設定してくるのですが、市場相場より明らかに高い金額では売却する事自体が厳しくなってしまいます。
そのため任意売却が可能な期間内に売ることができず、結局、競売で処理されてしまうという問題がよく起こります。
この問題を解決するためには、債権者と交渉して金額設定に折り合いをつけて市場相場に近づけないといけません。
その他にも、「任意売却なら引っ越し代を確保することができます」とよく言われていますが、これにも債権者との交渉が必要です。
この交渉次第で、引っ越し代が出るかどうか?出るならいくら出るのか?が決まります。
ですが、債権会社やその担当者によって競売に対する考えは全く違うので、債権会社の方針、担当者の心理状況をよく把握した上で交渉することが非常に重要です。
ただ単に任意売却を成立させるのではなく、できるだけこちらが優位な方向に持っていき、任意売却を「成功」させる上ではこういった交渉が重要なポイントになります。
また、不動産の販売スキルも非常に重要です
買手を見つける事ができなければ、当然競売で処理されてしまうことになるのですが、任意売却業者のほとんどは任意売却には詳しくても、不動産販売のスキルが低く、その姿勢自体も良くありません。
後で詳しくお伝えしますが、債権者の売却金額の提示が高く売れないと分かると、他に手立てがなくなり、売却活動をほとんどせず、ほったらかしの状態にしてしまう業者もいます。
この他にも、借入状況など依頼者がおかれている状況によって必要な手続きが変わってくるため任意売却を成功させるためには、担当者自身に沢山の経験やスキルが必要になります。
担当者のスキルレベルを確かめる質問
どんなに実績のある会社にも、ベテランスタッフや新人スタッフがいますし、仕事ができる人、できない人、売れる営業、売れない営業がいます。
なので、依頼をする前に、その担当者にどれだけのスキルがあるのか?を確かめておくためにも、「今までどれくらいの件数の任意売却に携わってこられましたか?」
といった類の質問をする事をオススメ致します。
もし、40~50件以上であればそこそこ信頼して大丈夫だと思いますが、10件~20件のレベルであれば正直、信頼するにはまだ危ういです。
また、もしできれば、「住宅金融支援機構のサービサーの名前を三社言ってもらえますか?」という質問も相手の実力を確かめるためには非常に有効です。(聞くにはそれなりに勇気がいるとは思いますが、、、)
サービサーとは、住宅金融支援機構から依頼を受けてローンを回収する機関で、しっかりとした任意売却業者なら常識として答えられる質問なのですが、中にはこの常識すら知らずに答えられない業者もいます。
そういった業者は明らかに知識も経験も実力も無いので依頼をするのは非常に危険です。
任意売却をどこに依頼するのか?であなたの人生はまるっきり違ったものになります。
あなたが任意売却に成功して、ローンの苦しさから開放されることができるのか?
任意売却に失敗し、競売で家を失った挙句、多額のローンを抱えて生きていくのか?
担当者の腕次第であなたの今後の人生が大きく変化する事になってしまいますので、ここは非常に重要なポイントです。
②任意売却後の残債支払いについてのサポートがあるかどうか?
任意売却後の残債は引き続き支払っていく事になるのですが、これは債権者側との交渉次第では大幅に減額することができます。
さらに言うと、(100%というわけではありませんが)残債を支払わずに済む可能性もあります。例えば任意売却後、残債が500万円あったある方は、交渉の結果、残債を一切支払うことがなくなったというケースもあります。
ただ、この残債を減額するためには自分で債権者と交渉していく必要があります。
もちろん、交渉のやり方や、債権者がどういった行動をするのか?
注意しておくべきポイントは何か?
といった事をおさえておけば十分に減額することができるのですが、中には「残債の支払いについては弁護士と相談してください」と、交渉のやり方についてサポートをしてくれなかったり、相談に応じてくれない業者がいます。
基本的に、業者の業務範囲は任意売却が完了するまでとなっているので、「自分たちの仕事はもう終わったので後は自分でやってください」とばかりに弁護士に仕事をふってしまいます。
ですが、弁護士に交渉を依頼するにも当然費用が発生しますし、そもそも弁護士に相談すると大抵の場合で自己破産を勧められてしまう事になります。
せっかく任意売却を成功させたのに、結局自己破産をさせられてしまっては任意売却をした意味が無くなってしまいます。
自分で交渉するにしてもやり方を知らなかったりすると、交渉に失敗する可能性も高くなります。
なので、残債の支払い交渉についてのやり方を教えてくれたり、不安になった時などは、その都度相談に乗ってくれるなど、任意売却後もしっかりとサポートをしてくれるかどうか?が重要です。
もし、残債の支払い交渉についてサポートがありますか?と質問をしてみて
「私たちではアドバイスができない」
「それは弁護士に相談していただくことになります」
といった回答であれば、その業者には依頼をしないことが懸命です。
③任意売却のメリットばかりを話していないか?
任意売却にも当然メリット、デメリットがあるので、それを十分に理解した上で決断する必要があるのですが、やたらと任意売却のメリットばかりを打ち出して、任意売却を強く勧めてくる業者がいます。
例えば、
- 必ず引っ越し代が取れる」
- 「残債は一切支払う必要がない」
というように、あたかも「任意売却なら全て問題が解決しますよ」と誤認させるようなオーバートークをしてくることがあります。
まず、引っ越し代の獲得も残債の支払いを無くすことももちろん可能なのですが、これは100%ではありません。
また任意売却の方が競売よりも確実に高く売れるという確証をすることもできません。
にも関わらず、こういったオーバートークをしてくる業者はまず間違いなく仕事に困っています。
ほとんどのケースで腕のいい任意売却業者は非常に忙しいことがほとんどで、仕事に困ることはあまりありません。
であれば、この業者の腕はたいしたことないと判断してしまっても間違いないでしょう。
さらに、こういったオーバートークが原因となって、のちのち大きなトラブルになってしまうケースも少なくありません。
例えば、「残債を一切支払わなくていい」といった業者の言葉を信じて、残債の支払いをしなかったところ、債権者ら裁判所を通して給与の差し押さえをされてしまったというケースがあります。
結局その方は、「差し押さえの事実」が会社内に知られてしまった事が原因で、会社に居づらくなり、転職を余儀無くされてしまいました。
他にも、こういった業者は、
- カードローンなどの借金を債務整理しさえすれば住宅ローン返済ができるようになり
- 自宅を売る必要もないのに、そういった知識をあえて教えずに任意売却をさせようとしたり、
- 任意売却をスタートさせたあと、不安になっているのに電話にも出ず、折り返しもしないといった対応をする可能性もあります。
知識も経験もあり、誠実な担当者であれば、任意売却のメリットもデメリットもしっかりと説明をした上で、適切な判断ができるようにサポートをしますし、任意売却よりも良い方法、家を手放さずにすむ方法があればそちらを勧めてくれます。
メリットばかりを打ち出して、甘いことばかりを言ってくる業者であれば注意する必要があります。
④不動産販売スキルはあるか?
先ほどもお伝えしましたが、任意売却業者のほとんどは任意売却については詳しいかもしれませんが、不動産を販売するための知識やスキルが低いことがほとんどです。
彼らの販売方法を見ていると、高く売るのは難しいのはもちろん、「そもそも本当に売る気があるんだろうか?」と疑ってしまうくらいのレベルのところもあります。
そのため、不動産販売の腕を確かめるためにも最低限以下のポイントだけは確認をして下さい。
このポイントは不動産販売において最低限やっておくべき事なので、これすらできていない業者であればまず不動産販売の知識も経験も未熟だと判断してしまって間違いないと思います。
<確認すべき4つのポイント>
①募集図面はカラー刷りかどうか?
②募集図面の物件写真は綺麗に撮影されているか?
③募集図面には物件のセールスポイントがしっかりと記載されているか?
④インターネット広告はどこに、何社出すのか?
最低限、この4つだけは確認をしておいた方が無難です。
きっと当たり前の事のように感じたと思いますが、その「当たり前」すらできていない業者がいるので注意が必要です。
⑤コンサルティング料など費用を請求してこないかどうか?
基本的に任意売却の報酬は成功報酬となっていて、その金額は「物件の金額×3%+6万円×消費税」となっています。
そしてこれを超える報酬を請求する事は法律違反となります。
ただ、業者の中には「コンサルティング料」とか「着手料」とか何かと理由をつけて金額を請求してくるケースがあります。
最近はこういった業者も少なくなってきましたが、報酬の支払いについて事前に確認をしておいた方が安全です。
もし成功報酬以外に請求される金額があればその業者は「悪徳」だと判断して間違いないでしょう。
まとめ
以上、任意売却で失敗しない業者を選ぶための5つのポイントをお伝えしました。
この5つのポイントを抑えている業者、担当者であればスキル・経験は十分にあり、信頼して任せられると判断しても間違い無いでしょう。
最後にもう一度5つのポイントをまとめます。
①多くの人が任意売却業者の実績で判断してしまいがちなのですが、肝心なのは担当者の実績です。
任意売却の経験もそうですが、不動産販売のスキルも重要です。過去に成功させたきた任意売却の件数を確かめておく方が無難です。
②残債支払いを減額するには債権者との交渉が必要になるのですが、業者の中には、交渉のやり方についてサポートをしてくれなかったり、相談に応じてくれない業者がいます。
売却後の残債支払いについてサポートをしてもらえるかどうか?を確認しておきましょう。
③任意売却はメリットだけではなく、当然デメリットもあります。
場合によっては任意売却をしなくても問題を解決し、家に住み続ける事ができる可能性も十分にあります。
にもかかわらず、任意売却のメリットばかりを伝えたり、「残債は一切支払うない」とか「必ず引っ越し代がとれる」などのありえない事を約束してくるのであれば、その業者は仕事に困っていて、スキルも経験も少ないと見て間違いありませんし、後々トラブルが発生する可能性が高いです。
④任意売却には不動産販売の高いスキルが必要です。
にも関わらず、不動産販売の知識も経験も少なく「売る気があるのか?」と疑ってしまう業者も少なくありません。
なので、不動産販売のスキルを確かめるためにも以下の4つを確認しておきましょう
- 募集図面はカラー刷りかどうか?
- 募集図面の物件写真は綺麗に撮影されているか?
- 募集図面には物件のセールスポイントがしっかりと記載されているか?
- インターネット広告はどこに、何社出すのか?
⑤任意売却の報酬は基本的に成功報酬となっていて、その額も法律で決められています。
もしそれ以上の金額を何かと理由をつけて請求しようとするのであれば、悪徳業者だとみて
間違いないと思います。
報酬について事前に確認しておきましょう。
最後に
任意売却に成功するか?失敗するか?でその後の人生は大きく変わってしまうことになります。
つまり業者・担当者の実力にあなたの今後の人生がかかっていると言っても過言ではありません。
任意売却で失敗しないためにも、この5つのポイントをしっかりと確認して安心し、信頼できるところに任意売却を依頼されて下さい。
【この記事を書いた人】
大学時代に自営業を営んでいた実家が競売直前に売却することなってしまった経験から「住宅ローンについて相談する場所が必要!」と痛感し、非営利団体を設立し『住宅ローン無料相談所』を開設しています。
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